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2012年7月2日(月)付

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身を切る改革―増税の前提を忘れるな

消費増税関連法案は衆院を通過したが、増税の大前提である国会議員の「身を切る改革」がまったく進んでいない。「隗(かい)より始めよ」という。国民に負担を強いる前に、国会議員[記事全文]

日航再上場へ―競争の観点から検証を

日本航空が、東京証券取引所に再上場を申請した。会社更生法の適用を申請して2年半。異例のスピード再建である。5200億円の債務免除と3500億円の公的資金を受けたことが大[記事全文]

身を切る改革―増税の前提を忘れるな

 消費増税関連法案は衆院を通過したが、増税の大前提である国会議員の「身を切る改革」がまったく進んでいない。

 「隗(かい)より始めよ」という。国民に負担を強いる前に、国会議員みずからが身を切る覚悟を示すのは当然のことだ。

 関連法案に賛成した民主、自民、公明3党はその責任も共有している。延長国会で目に見える成果を示さねばならない。

 まず、ひとつ提案がある。歳費や賞与の2割カットだ。

 無理難題をふっかけているつもりはない。民主党自身、一昨年の参院選の公約で「国会議員の経費の2割削減」を国民に約束していたではないか。

 国会議員は歳費と賞与をあわせ年2100万円を受け取っているが、2年間に限り計540万円の削減を決めた。率にして13%弱の削減にあたる。

 これを2年といわず永続的に2割削減にあらためるのだ。さらに国会議員には月100万円の文書通信交通滞在費、会派あての月65万円の立法事務費、公設秘書3人分の給与も支払われている。これらも2割カットしてはどうか。

 次に、政党交付金の大幅削減だ。年間320億円が共産党を除く各党に配られているが、もともと企業・団体献金の弊害を除くことが目的だった。

 民主党は何度も企業・団体献金の禁止を公約に盛り込んだ。それがいつまでも実行されない以上、政党交付金は大きく減額するのが筋である。

 JRや飛行機に無料で乗れる国会議員特権も原資は税金だ。企業側に負担してもらっている私鉄やバスの無料パスとあわせて返上し、自分の財布から支払うようにすべきだ。

 政府は6月、官僚の公用車送迎の一部廃止を決めた。なのに、国会や政党用の公用車が現状維持というのはおかしい。聖域にせず、最小限にすべきだ。

 東京・赤坂にある衆院議員宿舎の家賃が、4月から月8千円引き下げられた。

 5年ごとの減額が法令で定められているためだが、月35万円が相場の物件が8万4千円と、さらに格安になった。逆に、値上げこそがふさわしい。

 一方、国会議員の定数削減は拙速は禁物だ。

 大政党のつごうで比例区を中心に削るのは、制度の根幹を揺るがす。衆参両院の役割分担とあわせてじっくり議論する必要がある。

 今国会では、衆院の「一票の格差」是正のため、最小限の緊急措置として小選挙区の「0増5減」をまず急ぐべきだ。

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日航再上場へ―競争の観点から検証を

 日本航空が、東京証券取引所に再上場を申請した。会社更生法の適用を申請して2年半。異例のスピード再建である。

 5200億円の債務免除と3500億円の公的資金を受けたことが大きかった。

 上場によって、投入した公的資金を上回る額を回収できそうだ。国民負担という点では成功したといえる。

 しかし、予想以上のV字再建は新たな課題を浮かび上がらせた。身軽になった日航が、ライバルの全日本空輸と比べて、さまざまな面で有利になり、公正な競争が損なわれかねないという懸念だ。

 国が関与する企業再建と民間の競争をどう両立させるか。政府は日航の再建過程を検証し、今後の政策にいかすべきだ。

 日航は公的支援や債務免除を受けつつ、従業員や運航路線を倒産前の約3分の2に減らした。京セラ創業者の稲盛和夫氏が陣頭指揮して部門別の収益管理を徹底し、「親方日の丸」意識の改革も進んだようだ。

 営業利益は2年続けて過去最高を更新し、利益率は世界の名門航空会社の中でトップクラスに浮上した。

 日航と全日空の12年3月期連結決算を比べると、日航は売上高で全日空を下回りながら、営業利益は2倍を超える。有利子負債は全日空の5分の1強にまで減った。倒産直後に巨額の赤字を計上した会計上の効果で、当分は納税も免れる。

 営業利益は11年3月期、12年3月期とも、更生計画に掲げた利益の3倍近い。経営努力があったとはいえ、計画とのあまりの差に「支援が過剰だったのでは」との声が出ている。

 日航の再建では、国際線と国内線の分離論や海外の航空会社からの出資提案など、様々な動きがあった。官民ファンドの企業再生支援機構が再建のスポンサーとなり、公的資金を出資して日航を子会社にすることで決着したため、日航は単独で生き残る道が開けた。

 公的支援には、日航が公益的な企業であることに加え、全日空の競争相手を維持する狙いもあった。その競争のバランスが逆のほうに揺らいでは、日航の再上場を手放しでは喜べない。

 欧州連合(EU)には、経営不振企業を公的資金で支援する際のガイドラインがあり、「競争のゆがみ」を防ぐために様々な条件を課している。

 これらも参考にしつつ、競争政策や航空分野の専門家らを集めて日航の再建を分析し、「公的支援と競争」についての議論を深めなければならない。

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