HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 37416 Content-Type: text/html ETag: "194010-22b3-7295d800" Cache-Control: max-age=5 Expires: Tue, 26 Jun 2012 02:21:16 GMT Date: Tue, 26 Jun 2012 02:21:11 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年6月26日(火)付

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 せっかちな人ほど心臓を患いやすい。半世紀前、米国の心臓内科医フリードマンが病院での観察をもとに唱えた説だ。外来待合室の椅子は、なぜか座面の前端ばかりすり切れる。患者の様子を探ると、名を呼ばれたらすぐ立てるよう、みんな浅く腰かけていたという▼政治家の心臓は総じて毛深いが、民主党の衆院議員は心痛しきりだろう。消費増税に政治生命を賭した野田首相と、異を唱える小沢元代表の攻防が佳境を迎えた。去就を決めかねた議員は、後援者や同僚の言に迷い、椅子から腰を浮かせる▼首相は国会で、増税法案への賛成には党議拘束がかかると明言した。きょうの採決で従わなければ党則違反だ。まともな政党なら、除籍を含む重い処分に値しよう▼ところが、輿石幹事長は甘く見過ごす風でもある。だから鳩山元首相のように、反対でも離党はしないと言い放つのんきな人が出る。この党で衆院議員を務めた精神科医、水島広子さんが著書で見抜いた通り、政治家とは自己愛にあふれた人たちなのだ▼我こそは重要な人間という彼らの思いは、政変の足音に燃え上がる。小沢グループなどの若手はすでに、次の選挙をいかに戦うかで頭がいっぱいだろう。政策は政局の後景へと退いてゆく▼小沢氏は、離党して増税反対を掲げれば戦えると鼓舞したに違いない。今日(こんにち)の激動に備えて手勢を養ってきた氏も、いよいよ最後の戦(いくさ)である。せっかちに壊して回るエネルギーの出どころは、憂国の情か、並外れた自己愛か。

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