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2012年6月26日(火)付

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エジプト大統領―幅広い国民政権で進め

エジプトで、初の文民出身の大統領が決まった。昨春、民衆デモでムバラク体制が崩壊して以来、国民による自由な選挙によって、民主化が進んだことを歓迎する。[記事全文]

電力株主総会―自治体の提案を生かせ

原発をもつ9電力会社の株主総会が27日に開かれる。注目は、株を保有する自治体が議案を出した関西電力と東京電力だ。関電の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長ら自治体の首脳が総[記事全文]

エジプト大統領―幅広い国民政権で進め

 エジプトで、初の文民出身の大統領が決まった。

 昨春、民衆デモでムバラク体制が崩壊して以来、国民による自由な選挙によって、民主化が進んだことを歓迎する。

 当選したムルシ氏は、イスラムに基づく国づくりを掲げる穏健派イスラム主義組織、ムスリム同胞団の幹部だ。国民にむけた演説で「すべてのエジプト人のための大統領になる」と語った。その言葉を政権作りや政策で実行してほしい。

 大統領選は、ムバラク時代の元首相で軍出身のシャフィーク氏と激戦になった。ムルシ氏は同胞団だけでなく、幅広い有権者の支持を受けたことを肝に銘じるべきだ。

 投票直前に憲法裁判所が議会選を憲法違反とした。軍最高評議会は議会解散と、立法権を軍が持つことを発表した。同胞団支持者ではない有権者も、軍が権限を持つことを警戒し、ムルシ氏に投票したのである。

 ムルシ氏はすでに世俗派の政治家や若者リーダーらと連絡をとり、幅広い国民戦線の結成を宣言し、多様な政治勢力による政権を約束した。支持を集め、文民政治を実現して欲しい。

 軍は政治への介入をやめるべきである。民主制を育てる時期の介入は国を危うくする。

 一方で、世俗主義者やキリスト教徒系のコプト教徒、さらには女性団体から、イスラムの強制や、異教徒や女性への差別への不安が出ている。

 「イスラムこそ解決」の標語を掲げる同胞団が、政治の場に宗教を持ち込めば、国民の分裂を招く。宗教の強制ととらえられることは慎まねばならない。

 米欧には同胞団が政治を主導することで、反西欧傾向が強まることや、イスラエルとの平和条約の見直しを唱えることへの懸念もある。しかし、10年前に同じような懸念をもたれたトルコの現政権党の公正発展党は、欧米と信頼関係を築きつつ、国内経済を立て直した。

 ムルシ氏にはトルコの成功例を学び、内政、外交とも現実的な対応をするよう求める。まずは、激しい失業率に苦しむ若者が職につける社会を作ることが急がれる。

 欧米、さらに日本はムルシ氏や同胞団を拒むのではなく、信頼し、前進を助けるべきだ。

 アラブの春からの変動のなかで、イスラム主義勢力が選挙を制し、政治を主導する動きが広がっている。それがイスラムの独裁になれば強権を倒した意味はない。「イスラムの寛容さ」を実現し、自由と民主主義を発展させるよう期待する。

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電力株主総会―自治体の提案を生かせ

 原発をもつ9電力会社の株主総会が27日に開かれる。

 注目は、株を保有する自治体が議案を出した関西電力と東京電力だ。関電の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長ら自治体の首脳が総会に出席し、提案の内容を説明する。

 大消費地の代表が直接、電力会社の経営にものをいう貴重な機会だ。機械的な議事進行ではなく、主張をぶつけ合う緊張感のあるやりとりを期待する。

 関電には大阪、神戸、京都の3市がいずれも脱原発を提案している。

 大阪市は「可及的速やかな全原発の廃止」、京都、神戸両市は「原発に依存しない持続可能な電力供給体制」という表現で定款の変更を迫る。

 関電は株主に送った招集通知で「日本のエネルギー自給率は4%であり、化石燃料への過度の依存はリスクがある」と反対姿勢を示している。

 株式の3割を占める金融機関も、原発を動かさなければ赤字が続き、配当減は避けられないため、反対する見通しだ。

 しかし、3市で400万人をこす有権者の代表からの提案は重い。

 原発に依存しない社会へ向けて、経営の転換を求める強い世論があると受けとめるべきだ。電源の多様化は中長期的な経営体質の強化につながり、株主利益にもつながる。

 さらに3市は、経営の透明性確保や役員報酬の個別開示を共同提案したほか、発送電分離を求める議案もある。いずれも利用者の視点に立った主張だ。

 議案の採否にかかわらず、関電には提案や総会での意見を経営に生かす責任がある。

 反対する機関投資家も、社会が注視していることを強く意識してほしい。

 東電の総会には、東京都の猪瀬直樹副知事が出席する。

 猪瀬氏は東電の値上げをめぐってファミリー企業の問題を指摘したり、都として中部電力に電力供給を求めたりと、「脱東電」をはかってきた。

 顧客サービスを使命とする経営理念を総則に盛り込むことなど4議案を提案し、他の株主にも賛同を呼びかけている。

 議案自体は否決される公算が大きいが、今総会で東電を国有化し、内部から改革を進めたい国としては、「敵」にしたくない存在でもある。

 福島第一原発の事故以降、電力各社の安全対策や需給見通しに各地で疑問の声があがった。株主総会を、電力会社が生まれ変わるきっかけにしなければならない。

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