HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51094 Content-Type: text/html ETag: "3fc45-1781-4c311de841d35" Expires: Fri, 22 Jun 2012 21:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 22 Jun 2012 21:21:13 GMT Connection: close 日米韓海上演習 重層的な安保協力を推進せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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日米韓海上演習 重層的な安保協力を推進せよ(6月23日付・読売社説)

 日米韓の3か国関係の中で最も弱い日韓の連携を強化することが、3か国の安全保障協力をより重層的で、強固なものにするだろう。

 海上自衛隊と米韓両海軍が、朝鮮半島南方沖の黄海で本格的な共同演習を実施した。米空母「ジョージ・ワシントン」も参加し、艦船が同一の信号で陣形を変える戦術運動や、船舶への立ち入り検査の訓練を行った。

 日米や米韓の共同演習は頻繁に実施されているが、日韓の訓練はほとんど行われていない。日本の植民地支配の問題もあり、韓国が消極的だったからだ。

 転機は、2010年3月の北朝鮮による韓国軍哨戒艦撃沈事件である。その後、米韓演習に自衛隊がオブザーバー参加するなど、協力の機運が高まった。

 今月上旬のシンガポールでの日米韓防衛閣僚級会談も、北朝鮮の挑発行為の阻止に向けて3か国協力を強化することで合意した。

 安全保障において、外交と軍事は車の両輪であり、相互補完関係にある。有事や大規模災害に備えて部隊が訓練を重ね、軍事的な抑止力を維持することで、より効果的な外交が展開できる。

 日韓の安保協力では、防衛秘密の保護に関する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)と、国連平和維持活動(PKO)などで燃料や食料を融通できるようにする物品役務相互提供協定(ACSA)の締結を急ぐ必要がある。

 5月中旬の日韓首脳会談で2協定を締結する方針で一致し、5月末にも韓国の金寛鎮国防相が来日する予定だった。だが、いわゆる元従軍慰安婦の賠償請求権問題の影響もあって、韓国側に慎重論が高まり、先送りされている。

 北朝鮮に関する日韓の軍事情報の共有が進めば、双方の得る利益は大きい。4月の北朝鮮ミサイル発射時にも、日本の発表があれほど遅れなかったのではないか。

 ACSAが締結されれば、ハイチのPKOなどで、より充実した日韓協力が可能になる。

 日米韓と同様、日米豪や日米印の安保協力も着実に拡大したい。中国の海空軍の増強や活動活発化は、各国共通の懸念事項だ。部隊交流や共同演習、情報共有など、多くの協力の可能性がある。

 豪州とは既に、ACSAとGSOMIAを締結している。残念なのは、衆参ねじれ国会の下、ACSA関連の自衛隊法改正案の国会審議が進まず、ACSAが未発効なことだ。与野党は審議を促進し、早期成立を図るべきだ。

2012年6月23日01時09分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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