HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 37286 Content-Type: text/html ETag: "184b4a0-22b3-518f8dc0" Cache-Control: max-age=1 Expires: Fri, 22 Jun 2012 22:21:11 GMT Date: Fri, 22 Jun 2012 22:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年6月23日(土)付

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 鳥の飛翔(ひしょう)力は想像を絶する。カモメの仲間なのに水が苦手なセグロアジサシ。繁殖地の孤島を巣立ったが最後、長じて戻るまでの3〜4年は、ほとんど海の上を舞い続けるそうだ。水面すれすれで魚を捕らえ、眠るのも飛びながらというから驚く▼水辺にいるタカの一種、ミサゴも漁の名手だ。獲物を見つけるとヘリコプターのように空中にとどまり、狙いを定めて急降下する。緩急自在の曲芸飛行、英名をオスプレイという▼同じ名を持つ米軍機の話題が、バタバタと騒がしい。海兵隊などの輸送を担う怪鳥は、主翼の両端に角度が変わる回転翼を備え、ヘリのような離着陸と、飛行機なみの高速移動が可能。沖縄の普天間飛行場に配備される計画で、本土での訓練も見込まれる▼沖縄の反発は激しい。なにせ試作段階から墜落が続き、今年もモロッコと米国で落ちた機種である。市街地に接し、すでに世界一危険とされる普天間への飛来は、地元の感情を逆なでしよう▼今年も沖縄慰霊の日を迎えた。復帰40年にして、基地の中に島があると言われる現実は動かない。オスプレイもそうだが、県民の平穏と安全を犠牲に、日米関係や極東情勢を重んじる国策がまかり通ってきた▼小欄、軽々しくタカよりハトが好きとは言わない。安全保障には冷徹な戦略が必要だろう。だが、ここまで歪(ゆが)んだ負担を見過ごせようか。一つの地域、それも平和の聖地であるべき島を震わす羽音は、もうたくさんだ。「ひめゆり」たちも眠るに眠れまい。

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