HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 19 Jun 2012 03:22:02 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 漢字の「省」は少と目で成り立っている。漢字遊びが好きな詩…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 漢字の「省」は少と目で成り立っている。漢字遊びが好きな詩人の吉野弘さんは、少の音が表すのは覆い隠す意の障だとして、目が覆い隠される意味かな、と首をかしげる▼《“何々省”というお役所は物が見えない所だったのか/「省」をそのまま読み下せば<少ない目>/目が少なければ、見える範囲も狭いだろう/視野の限られたお役所では心もとない》▼吉野さんは、別の解説もあるという。省は之と目の合成字で少は之の変形。之の意味は行く・出る。詩人は安心する▼《従って「省」は<行く目・出向く目>/<見るべきものに充分、目を配ること>/−となれば、何も案ずることはない/<隅々まで目の届くお役所>こそが“何々省”》。漢字遊びにしても、どちらに説得力があるか考えてしまう▼原発稼働の是非を問う東京都民投票の条例案がきのう、都議会の総務委員会で否決された。官僚が主導し、主権者の意思が反映されない政治から決定権を取り戻そうという新しい運動である▼国が何もしないから都が尖閣諸島を購入すると力説する石原慎太郎都知事は「エネルギー問題は理性的な議論のもとに国が判断するべきだ」と反対した。過酷な事故を起こしながら、何もしない官僚や政治家にはもう任せられない。三十二万人が示した強い意思を、自民、公明両党は知事とともに葬り去ろうとしている。

 

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