HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 37446 Content-Type: text/html ETag: "15b4c10-22b7-779c0440" Cache-Control: max-age=1 Expires: Mon, 18 Jun 2012 21:21:14 GMT Date: Mon, 18 Jun 2012 21:21:13 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年6月19日(火)付

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 文字は書くより打つものとなり、ペンダコは死語になりつつある。それでも職業ダコは「その道一筋」の勲章である。右利きのバーテンダーなら、シェーカーを支える右手小指が硬くなると聞いた。修業中は何度も皮がむける▼野田首相の右手にタコがあるなら、なりふり構わず消費増税のドアを叩(たた)き続けた証しである。最後は扉をこじ開けんと自民、公明両党に譲歩を重ね、一体改革の修正合意を得た。民主党のマニフェストは見る影もない▼メキシコに赴いた首相は、国際会議に集中する心身ではなかろう。丸のみを迫られたのどは腫れ、看板政策を棚に上げた腕は痛み、すり寄りすぎた足がつる。政局の疲れをテキーラの一杯で癒やし、帰国後の政治決戦に備えている時分か▼党内には「増税談合」「自殺行為」といった批判が渦巻き、小沢グループなどの議員は造反を公言している。衆院で採決に持ち込めば党分裂、先送りなら政権立ち枯れのピンチとなる▼時の首相が野党と組んで、自党の仲間とやり合う。長い憲政でも珍事に違いない。もはや政党の体(てい)をなさず、取り繕う策も尽きた民主党は、割れるなら早いほうがいい。政治家個々の責任が問われる時局である▼責任と酒の重さを受け止めるバーテンの手は、もろもろを混ぜ合わせて未知の味を生む。この日本、政界再編のカクテルに酔う暇(いとま)はないのだが、それなしには前に進まない。消費増税に白黒をつけたら、「この指とまれ」をやり直し、政治の厚い皮をむく時だ。

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