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2012年6月19日(火)付

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ギリシャ選挙―民意をユーロ安定へ

深刻な経済危機に陥っているギリシャのやり直し総選挙は、財政緊縮とユーロ残留を掲げた中道の旧2大政党が合わせて過半数を占めた。緊縮策の白紙撤回を主張する急進左翼進歩連合が[記事全文]

小沢元代表―矛盾だらけの増税反対

消費増税関連法案をめぐり、民主党の小沢一郎元代表が野田政権への批判を強めている。消費税の引き上げは「国民に対する冒涜(ぼうとく)、背信行為だ」と厳しく批判し、会期末の2[記事全文]

ギリシャ選挙―民意をユーロ安定へ

 深刻な経済危機に陥っているギリシャのやり直し総選挙は、財政緊縮とユーロ残留を掲げた中道の旧2大政党が合わせて過半数を占めた。

 緊縮策の白紙撤回を主張する急進左翼進歩連合が勝利すれば、欧州連合(EU)からの支援が止まって、ギリシャがユーロから離脱したり、スペインなどの財政危機を一段と悪化させたりする懸念があった。

 そんな最悪の事態はとりあえず避けられた。欧州はこれを転機に、ユーロ安定へ全力を傾けなければならない。

 ギリシャでは不況が加速し、失業率は22%にのぼる。緊縮策に無条件に賛成する人はほとんどいない。だが、ユーロから離脱したからといって、展望があるわけではない。国外への資金流出が拡大し、極度のインフレに見舞われる可能性が高い。

 今回の選挙結果は、苦渋の選択の中で「ユーロに残りたい」という有権者の思いがかろうじてまさったといえる。

 EU諸国はこんなギリシャの苦衷にも目を向けてほしい。勝利した緊縮派はEUとの約束を一部見直したい考えだ。3月に決まったギリシャ2次支援は厳しい緊縮策に加え、楽観的な景気回復が前提となっている。

 これが本当に現実的か、問題点を洗い出すべきだ。緊縮一辺倒ではギリシャの展望は開けない。必要なら財政再建の日程を見直し、債務減免の拡大もタブー視してはならない。

 折しもフランスのオランド大統領は成長重視の姿勢を打ち出している。欧州全体が内実ある成長戦略をどう具体化するか。

 バラマキやバブル依存に流れないためには、ドイツが唱える労働市場などの構造改革も必要だ。これらと適度な経済刺激策を組み合わせる新機軸が求められている。

 ユーロの足元はかつてないほど脆弱(ぜいじゃく)だ。ギリシャで始まった国外への資金流出はスペインにも伝染した。

 各国が資金を出し合う欧州安定メカニズム(ESM)など、安全網の拡充が最優先の課題である。それぞれの国の信用不安が欧州全体を揺さぶる悪循環を止めるには、ユーロ圏全体で資金調達する「共同債」が有力な武器となる。

 銀行の監督や規制、破綻(はたん)処理の態勢を欧州レベルで統合する作業も早く進める必要がある。銀行システムと政府の財政不安を切り離す意志を行動で示さなければならない。

 欧州の首脳たちの問題解決能力に対する疑問符が残る限り、危機の連鎖は止まらない。

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小沢元代表―矛盾だらけの増税反対

 消費増税関連法案をめぐり、民主党の小沢一郎元代表が野田政権への批判を強めている。

 消費税の引き上げは「国民に対する冒涜(ぼうとく)、背信行為だ」と厳しく批判し、会期末の21日に予定される衆院採決で反対票を投じることを明言している。

 それが信念だというなら、仕方がない。

 だが、過去の自身の言動や党内論議の経緯からみて、その言い分は矛盾だらけで説得力を欠くといわざるをえない。

 たとえば以下の疑問に、どう答えるのか。

 第一に、社会保障と税の一体改革路線は党内の論戦を何度もくぐって決着した、れっきとした党の決定であることだ。

 政権交代を果たした09年の総選挙で、民主党は「消費増税はしない」と国民に約束した。それは小沢氏の言う通りだ。

 しかし、自身も立候補した翌10年の党代表選を、よもや忘れたわけではあるまい。

 小沢氏は「消費増税はムダを省いた後」と主張したが、「消費税を含む税制改革と社会保障改革にセットで取り組む」と訴えた菅首相に敗れた。

 菅首相は参院選でも消費増税を訴えた。選挙には敗れたが、一体改革の路線は野田首相に引き継がれた。

 党内で主張をぶつけ合うのは当然だが、議論を尽くした結論に小沢氏が他の議員を率いて反対するなら党を出るのが筋だ。

 第二に、「増税の前にやるべきことがある」と小沢氏はいう。では、「やるべき」政策とは何なのかを具体的に語らないのはどうしてなのか。

 09年総選挙の政権公約の最大の柱は「予算の組み替えなどで16.8兆円の新規財源を生み出す」というものだった。

 政権交代から約3年、この公約の破綻(はたん)は明らかだ。だからこその一体改革ではないのか。

 政権交代前、「政権さえとれば財源はなんぼでも出てくる」と、党代表として公約づくりを引っ張ったのは小沢氏だった。

 第三に、小沢氏自身、過去に何度も消費増税の必要性を唱えてきたのはどうなったのか。

 一例をあげれば、細川政権の94年、小沢氏の主導で突然、発表された7%の「国民福祉税」構想がある。

 この時は、連立与党内の論議はまったく経ておらず、国民はもちろん与党の幹部たちも「寝耳に水」だった。あれは間違いだったということか。

 小沢氏に同調しようと考える議員たちは、いま一度、こうした経緯を冷静に振り返ってはどうだろう。

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