
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50893 Content-Type: text/html ETag: "ad6c9-1757-4c2ad688fb1fb" Expires: Mon, 18 Jun 2012 00:21:17 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 18 Jun 2012 00:21:17 GMT Connection: close
![]() 幼児の臓器提供 国内での移植を増やす契機に(6月18日付・読売社説)富山県で6歳未満の男児が脳死と判定され、心臓などが、他の人に移植された。 2010年施行の改正臓器移植法で15歳未満の子供からの臓器提供が可能となったが、幼児から提供されたのは今回が初めてだ。 かわいい盛りのわが子を失った両親にとって、脳死の事実を受け入れ、臓器の提供を承諾することは、計り知れぬほど重く、つらい決断だっただろう。 男児の心臓と肝臓は10歳未満の女の子2人にそれぞれ移植され、別の幼い命が救われた。 幼児間の臓器移植が実現したことは、日本の移植医療の着実な前進と言えよう。 改正前の旧移植法は、本人が書面で提供意思を示していなければ臓器移植を認めなかった。有効な意思表示ができるのは民法で15歳以上とされ、幼い子供からの臓器提供は禁じられてきた。 2年前の法改正によって、欧米などと同様に、本人が提供拒否の意思を示していない限り、年齢にかかわらず家族の判断で臓器提供が可能になった。 ところが、改正法の施行後も、幼児からの脳死移植はなかなか行われなかった。背景には、幼児の脳死判定の難しさがある。 大人より一段と厳格な脳死判定を行い、親からの虐待の有無なども慎重に見極めねばならない。 厚生労働省などは今回、脳死判定の厳しい条件をクリアし、確認作業を重ねた上で臓器移植が行われたとしている。 子供の脳死移植に対する信頼を培うためには、事後の厳密な検証作業が欠かせない。男児が入院していた病院で行われた脳死判定に関わる議論の内容などについて、詳細な情報公開が必要だ。 これまで、国内では幼児の臓器提供がなかったため、移植を待つ子供たちは、海外に渡航して移植を受けるしか方法がなかった。多額の費用をかけて、臓器提供してもらう現状には、海外から厳しい視線が注がれている。 今回の臓器提供を国内での移植を増やす契機としたい。 そのためには、移植医療の態勢の充実が欠かせない。間違いなく脳死判定のできる医療機関を増やし、心のケアにあたる移植コーディネーターなども、拡充しなければならない。 〈息子が誰かのからだの一部となって、長く生きてくれるのではないか〉。臓器提供した男児の両親のコメントだ。命のリレーを広げる礎としたい言葉である。 (2012年6月18日01時17分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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