HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 37395 Content-Type: text/html ETag: "1496e42-22cb-5fd909c0" Cache-Control: max-age=4 Expires: Sun, 17 Jun 2012 22:21:14 GMT Date: Sun, 17 Jun 2012 22:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年6月18日(月)付

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 スウェーデンのストックホルムで開かれた100年前の五輪に日本は初参加した。マラソンの金栗四三は疲労困憊(こんぱい)して途中で倒れ、民家で介抱されるうちに行方不明扱いになった。時は流れて、当地の五輪委は55年目の祝賀行事に金栗を招く▼スタジアムでテープを切ると、「日本の金栗、ただいまゴールイン、タイムは54年と8カ月6日5時間32分20秒3。これをもって大会の全日程を終了します」とアナウンスが流れたそうだ。こんな話は理屈なしに頬がゆるむ▼さて、1991年のノーベル平和賞授賞式も、一昨日ようやく全式典を終えたことになろうか。自宅軟禁で出席できなかったミャンマーのアウンサンスーチー氏(66)が、21年の後にノルウェーで受賞演説に立った▼2年前には想像もできなかった軍政国家の変容である。スピーチで、平和をめざす人々を「救いの星に導かれる砂漠の旅人」と語った。砂漠に例えたのは、一歩一歩を黙々と歩むイメージだろうか。話し終えると拍手が鳴りやまなかったそうだ▼ノーベル平和賞は栄誉ながら悲痛を伴う。戦乱が激しく、虐げられた人が多いほど注目され、輝きを増す。氏の背後には恐怖で支配される民衆がいた。本人も万感胸に迫る演説だったろう▼金栗に話を戻せば、粋なはからいに「長い道中の間に孫が10人できました」と応えたそうだ。片やスーチー氏は英国人の夫を看取(みと)ることもできず喪(うしな)った。夫君が眠り、平和の祭典五輪の近づく英国を、このあと訪ねるという。

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