HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50848 Content-Type: text/html ETag: "fe9a2-17ae-4c299bd00bf62" Expires: Sat, 16 Jun 2012 23:22:34 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 16 Jun 2012 23:22:34 GMT Connection: close 大飯再稼働決定 着実な発電開始に万全を期せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

大飯再稼働決定 着実な発電開始に万全を期せ(6月17日付・読売社説)

 政府が、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を決めた。

 野田首相は16日の関係閣僚会合で、「再稼働することを政府の最終判断とする。原子力行政の信頼回復に向け、さらに取り組みを進めていく」と述べた。

 電力危機を回避するため、首相が責任を持って再稼働を決断したことを高く評価したい。

 政府は、福島第一原発事故の教訓を反映した判断基準を1年以上かけてまとめ、その基準に沿って大飯原発の安全性を確認した。地元の福井県と、おおい町の同意も得られた上での決定だ。

 肝心なのはこれからである。大飯原発の2基がフル稼働するまで約6週間かかる見込みという。通常の定期検査より運転停止の期間が長かったため、念入りに整備する必要がある。

 再稼働を電力需要がピークとなる猛暑に間に合わせたいが、「()いては事を仕損じる」ことになっては大変だ。関電は慎重に作業を進め、発電再開に万全を期してもらいたい。

 むろん、安全確保が最重要である。日程優先では焦りがミスを誘いかねない。稼働時期が遅れる事態も想定し、当面は電力不足への対策を続けるべきだ。

 関電管内では7月2日から15%の節電が予定される。企業の間で自家発電の増強や操業時間変更などの対策が練られている。努力に水を差さぬよう、大飯原発の運転がしっかり安定するまで、節電目標の引き下げは避けるべきだ。

 大飯原発2基が順調に稼働したとしても、関西の電力需給は綱渡りが続く。頼みの火力発電所は、これまで酷使した影響で故障のリスクが高まっている。停電への警戒を怠ってはならない。

 今夏の電力不足を何とか乗り切った後も、課題は残る。

 ほとんどの原発が停止したままでは、火力発電の燃料費は全国で年3兆円も余計にかかる。東京電力以外も、電力料金の値上げは避けられまい。景気悪化と産業空洞化を加速させる恐れがある。

 大飯以外の原発も安全を確認したうえで再稼働し、全国的な電力不足を解消することが急務だ。

 しかし、原子力規制組織の発足が遅れ、大飯に続く再稼働手続きは事実上、ストップしている。

 原子力規制委員会の設置法案は近く成立する見通しだが、委員の人選などに手間取れば時間を空費する。政府は速やかに規制委を発足させ、再稼働の審査体制を軌道に乗せることが求められる。

2012年6月17日01時48分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です