HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 16 Jun 2012 02:21:14 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:子育て支援 孫子の未来が開けない:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

子育て支援 孫子の未来が開けない

 「一体」ではなく「後退」改革ではないか。社会保障改革は軒並み見送られた。特に改革の最重要政策に挙げた子育て支援は何も進みそうにない。これでは子どもや若者たちの未来が開けない。

 「社会で子育てを支える」との理念を民主党政権は掲げていたはずだが、どこへいったのか。

 税との一体改革で、政府が全面的に撤回してしまった社会保障改革が子育て支援の新制度だ。

 戦後社会の構造変化で家庭と地域のつながりが弱まり、子育て家庭は孤立しがちだ。収入も伸びない。家庭の負担が格段に増している。

 子育ての主体は家庭だが、社会が一緒に育てる時代に来ている。社会が支え始めた介護と同じだ。

 社会の活力を高めるには女性の活用がカギだ。働きながら子育てしたい人には、保育所などが必要だし、子育てと両立できる柔軟な職場環境も求められている。

 パートで短時間だけ預けたい人、土日に働かざるを得ない人もいる。障害児や病児の受け入れも望まれている。専業主婦も孤立していたら子育ての相談をしたいし、外出するのに一時預けたい。子どもを預かる施設がきめ細かい対応のできる制度の整備が要る。

 幼稚園と保育所の一体化を柱とする新制度はすべての子どもたちに保育と教育を提供し、子育てを支えようとするものだ。

 厚生労働省や文部科学省など省庁間でバラバラの関連予算をまとめて明確化し、政府を挙げてその体制を整えることも狙う。

 新制度は待機児童をすぐに解消できない。自治体の責務の範囲や民間参入で保育の質をどう保つのかなど課題はあるが、自民、公明両党が反対すると改革案をあっさり引っ込めた。簡単に理念を放棄していいのか。

 子ども手当(現・児童手当)もすべての子どもを対象としていたが、自公を説得できず所得制限を設けた。逆に年少扶養控除は廃止され増税だけが残った。

 収入のある家庭には、所得税などで負担してもらう考え方もあるはずだ。一体改革とは税も合わせた社会保障の給付と負担のバランスを考えることではないのか。

 低収入で結婚ができない若者に多い非正規雇用の規制も、自公に譲歩し後退した。

 昨年の人口の自然減が初めて二十万人を超えた。人口減は進んでいる。次世代支援にこそ野田政権は政治生命を懸けてもらいたい。

 

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