HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50695 Content-Type: text/html ETag: "219f9f-1761-4c271fe3c30d3" Expires: Thu, 14 Jun 2012 21:21:51 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 14 Jun 2012 21:21:51 GMT Connection: close 衆院選制度改革 与野党協調に水差す民主党案 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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衆院選制度改革 与野党協調に水差す民主党案(6月15日付・読売社説)

 合意形成に至る政治の意思と技術が乏しいのではないか。

 衆院選挙制度改革を巡る与野党幹事長会談が開かれたが、合意できなかった。民主党の輿石幹事長が示した新提案に問題があるとして、自民党などが難色を示したからである。

 この案は「1票の格差」是正のため、小選挙区を「0増5減」とする。比例選は、11ブロックを全国比例に一本化し、定数を40減の140に改める。うち35を少数政党に有利な比例代表連用制、残りを現行の並立制とするものだ。

 次々回衆院選までに、抜本改革を実施し、総定数を現行より80少ない400にするという。

 輿石氏の案は、4月下旬の各党協議会で、民主党の樽床伸二幹事長代行が示し、野党が拒否した案の微修正に過ぎない。

 小選挙区比例代表並立制と連用制を組み合わせた、複雑で分かりにくい制度に民主党が固執していては、まとまるはずがない。格差是正と比例定数削減の同時決着を目指しても混乱するだけだ。

 自民党などは、格差是正の先行を求めている。「0増5減」を実現し、「違憲状態」を解消するのが現実的である。

 与野党が選挙制度改革の期限とする国会会期末が1週間後に近づいている以上、自民党などの主張はもっともだ。

 仮に与野党が今、「0増5減」先行で合意しても、格差是正を実現するには4、5か月かかる。衆院選挙区画定審議会の区割り作業だけでなく、公職選挙法の改正、法律の周知期間を経る必要があるからである。

 さらに問題なのは、輿石氏が、今回示した案を週明けに、国民新党と国会に共同提出する意向を示していることだ。

 国会議員の身分を左右するルールはできるだけ多くの党の賛成を得て進めるのが慣例だ。自民党の石原幹事長が「与党の多数で変えれば、議会制民主主義は崩れる」と述べたのも無理はない。

 社会保障と税の一体改革の修正協議が大詰めを迎えている。与野党に歩み寄りの機運があるのに、民主党が野党との信頼関係を壊しかねない行為に出るのは、修正協議を妨害する意図があるのではないか。そんな疑念さえ膨らむ。

 立法府が違憲状態を放置することは、民主主義の土台を揺るがしかねない。民主党が今すべきは、自民党などとの話し合いを粘り強く続け、選挙制度と一体改革の両方で接点を真剣に探ることだ。

2012年6月15日02時25分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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