HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 37605 Content-Type: text/html ETag: "ad213f-22ab-d0433100" Cache-Control: max-age=1 Expires: Thu, 14 Jun 2012 20:21:11 GMT Date: Thu, 14 Jun 2012 20:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年6月15日(金)付

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 大漁に二日なしという。潮流や水温に左右される漁獲は気まぐれで、船が傾(かし)ぐほどの水揚げはそうそう続かない。年ごとに取れなくなる背景には、汚染や乱獲もあろう。豊漁貧乏もつらいが、魚影が薄すぎては商売にならない▼ツナ缶の苦境が報じられた。原料のキハダマグロやカツオが十分に取れず、値上げの瀬戸際だという。利益が出にくいからメーカーも意気が上がらず、10年前に年6万トンあった生産量は4万トンを割った▼不漁の一因は、南米ペルー沖から中部太平洋の水温が下がるラニーニャ現象らしい。ただし本当のところは分からない。滋養豊かなツナ缶は途上国で人気が高まり、原料の不足感は尾を引きそうだ▼本紙別刷り「be」にあった「好きな定番缶詰」の投票でも、首位はツナ缶だった。代名詞の「シーチキン」は発売から半世紀。チキンの代用品を思わせる商標は、マグロがより大衆的だった時代をしのばせる。今なら、鶏肉をマグロに似せた「ランドツナ」が開発されてもおかしくない▼希少化によるピンチといえばウナギである。3年続きの記録的不漁で稚魚の価格が高騰、輸入も減り、かば焼きはますます高い。どうも魚の総量が減ってきたようだ▼SUSHIを先兵に、健康的な魚食文化は世界に広まった。このうまさに気づかれたか、という思いはあるけれど、若い世代の魚離れを知れば偉そうに元祖づらもできない。垣根のない水の畑を囲む国々が、知恵を持ち寄り、長く食べつなぐ道を探りたい。

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