HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50850 Content-Type: text/html ETag: "219a61-1765-4c1f88c2cd47c" Expires: Fri, 08 Jun 2012 21:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 08 Jun 2012 21:21:10 GMT Connection: close 大飯再稼働へ 国民生活を守る首相の決断 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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大飯再稼働へ 国民生活を守る首相の決断(6月9日付・読売社説)

 野田首相が福井県にある大飯原子力発電所3、4号機の再稼働に強い決意を表明した。

 首相は記者会見で「原発を止めたままでは、日本の社会は立ちゆかない。原発は重要な電源だ」とし、「国民の生活を守るため再稼働すべきというのが私の判断だ」と強調した。

 首相が原発を日本に欠かせない電源だと、明確に位置づけた意味は大きい。当面のエネルギー政策で、「原発ゼロ」の路線は回避される方向となろう。

 福井県の西川一誠知事は、再稼働に同意する条件として、首相が原発の必要性を国民に説明することを求めていた。福井県が了承する環境は整ったと言える。

 福井県とおおい町が早期に再稼働に同意し、手続きが加速するよう期待したい。

 もちろん再稼働には、原発の安全確保が重要である。政府は全国の原発で津波対策を実施し、大飯原発はストレステスト(耐性検査)も終えた。原子力安全委員会がテスト結果を了承している。

 大飯原発を再稼働する際は、経済産業副大臣らが現地に常駐する特別な監視体制も敷く。

 首相は「実質的には安全は確保されている」と述べた。政府が1年以上をかけて安全対策を講じてきた点は、評価すべきだ。

 西川知事が同意を見送っている背景には、周辺自治体の姿勢への反発があるのだろう。

 特に、福井県から電力供給を受ける大阪市の橋下徹市長や、京都府と滋賀県の知事が提案している「夏季限定」の再稼働案を、西川知事は強く批判している。

 電気が足りない時期だけ原発の運転を求めるのは、ご都合主義にほかならない。この点について首相が、「夏限定の再稼働では国民生活は守れない」と述べたのは、妥当な認識である。

 政権党である民主党の国会議員117人が、「今年の夏は節電で乗り切る」などとして、首相らに再稼働への慎重な対応を求める署名を提出したことも問題だ。

 首相は「突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人もいる」とした。産業空洞化や雇用喪失への懸念も示した。なぜこうした危機感を共有できないのか。

 署名には、小沢一郎元代表のグループなど、消費増税に反対する議員が多く加わっている。

 社会保障と税の一体改革を進める政権を、からめ手からゆさぶる狙いだろう。目の前の電力危機を回避する再稼働を、政争の具にしてはならない。

2012年6月9日01時31分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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