HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50651 Content-Type: text/html ETag: "ba428-1761-4c1e49be7ed07" Expires: Thu, 07 Jun 2012 22:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 07 Jun 2012 22:21:13 GMT Connection: close 上海協力機構 欧米への対抗姿勢を懸念する : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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上海協力機構 欧米への対抗姿勢を懸念する(6月8日付・読売社説)

 中国、ロシアと中央アジア4か国で構成する上海協力機構(SCO)は北京で首脳会議を開き、緊迫するシリア情勢に関し、対話で解決を目指す方針を表明した。

 中露両国の主導で、欧米のシリア軍事介入や制裁に反対する姿勢を鮮明にしたものだ。

 近く開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議を前に、中露が連携し、欧米との対抗姿勢を打ち出す狙いがあったのだろう。

 SCOは、インド、パキスタン、イランなどをオブザーバー国とし、西方へ拡大している。シリアは、その“拡大SCO”と北大西洋条約機構(NATO)の勢力が交差する地帯にある。

 中露は、「アラブの春」やNATOの影響力がこれ以上シリアに浸透しないよう歯止めをかけたい考えだ。だが、制裁に反対しながら、どうやってシリアの流血の事態を止められるのだろうか。

 中国の胡錦濤国家主席は首脳会議で、「我々は地域と世界の平和・安定の維持に新たな貢献をする」と語った。SCOは、言葉通り、平和と安定の維持に責任を果たしてもらいたい。

 SCO加盟国の経済規模は発足当初、世界の4・8%を占める程度だった。それが、10年を経て13%に増大したという。

 欧米が財政悪化と景気低迷に苦しむ中、SCOは経済力で存在感を高めるに連れ、外交・安保でも発言力を強めようとしている。

 今回の首脳会議では、新たにアフガニスタンをオブザーバー国に加えることを決めた。

 SCOは、NATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)が2014年末までにアフガンでの戦闘任務を終えることをにらんで、アフガンでの影響力を強めたいのだろう。中国には、資源獲得に大きな狙いがある。

 日本は米国と歩調を合わせて、伸長するSCOの動向を注視し、警戒する必要があろう。

 一方、首脳会議に先立って行われた中露首脳会談では、4月に実施した黄海での大規模な海軍合同演習を受けて、軍事協力を強化することで一致した。

 2020年までに海軍力の6割をアジア太平洋地域に集中させる方針を表明した米国に対し、南シナ海などで海洋権益拡大を図る中国と「太平洋国家」を目指すロシアが連携して対抗する構図だ。

 日本としても、中露の関係緊密化を念頭に、日米同盟を深化する努力を重ねて、抑止力を高めておくことが重要だ。

2012年6月8日01時44分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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