HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 04 Jun 2012 01:21:15 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 講演に引っ張りだこの相談役がいる。名証二部上場の電気設備…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

 講演に引っ張りだこの相談役がいる。名証二部上場の電気設備メーカー「未来工業」(岐阜県輪之内町)の創業者山田昭男さん(80)だ。とにかく取り組みが先進的である▼残業は禁止。休日の数は日本一だ。約八百人の従業員は全員が正社員。定年は七十歳で、六十歳を過ぎても給料は下げない。理由は「定年前こそ人はよく働くんだよ」▼節電の徹底ぶりは震災後よく知られるようになった。廊下は薄暗く、三百人以上が働く本社にコピー機は一台しかない。コストを削った利益を社員に回すためだという▼よそがやらない、日本で初めて、という点にこだわり、差別化した商品を開発し販売してきた。「もうかっていない会社と同じことをしても、もうからないんだよ」。先日、お会いした山田さんは、実にざっくばらんな方だった▼近著『日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”』に「これだけ休みをもらって、自由にやらせていただいていて売り上げが下がったのでは申し訳ない」という営業社員の声が載っていた。「ムチがなくても社員は働く。それを知らないのは無知」という思想の浸透を感じた▼「中小・零細企業だって、技術やアイデアがあれば大企業に勝てるんだよ」。社員がやりがいを持って幸福に働ける環境を築いてきた経営者の言葉には、小さな企業が生き抜いてゆく知恵が詰まっている。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo