HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 03 Jun 2012 21:21:56 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: ジャン・ビュリダンは、十四世紀、フランスの哲学者だが、彼…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 ジャン・ビュリダンは、十四世紀、フランスの哲学者だが、彼が考案したとされる“思考実験”がある▼餌となる一束のまぐさと水の入ったバケツが別々の場所にあり、それぞれから等距離のところに一頭のロバがいる。ロバはとても腹をすかしており、それと同じぐらい、のども渇いている。ロバは、どちらを先にすべきか悩む。まず空腹を満たす? それとも先にのどを潤す? そして、いつまでもためらい続け一歩も動けない…▼ところで、わが国の衆院小選挙区の「一票の格差」は「違憲状態」にある。国会で決めた選挙区画定審議会による区割り改定案の勧告期限もとうに過ぎて、「違法状態」でもある。なのに各党協議はいっかな進まず、最近も幹事長会談は物別れに終わった▼大雑把(ざっぱ)に、人口の少ない県の議席を減らす「〇増五減」で、ひとまず違憲状態の解消を図る考えと、問題の多い現行選挙制度の抜本改革の中で解決を図る考えの二つがあって、話がまとまらない▼党利の衝突は当然だが、異論の調整こそ仕事のはず。国会議員諸氏には申し訳ないが、何だか、一歩も動けぬ<ビュリダンのロバ>のごとくではないか。ついでに言えば、アラビア語では、ロバ(ホマール)は罵倒語、日本語の馬と鹿に当たる▼もし、国民から“ロバ呼ばわり”されたいなら、今後も違憲・違法状態の放置を続けるとよい。

 

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