HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50675 Content-Type: text/html ETag: "15c1cf-17da-4c143905e162b" Expires: Wed, 30 May 2012 22:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 30 May 2012 22:21:09 GMT Connection: close 野田・小沢会談 「もう一度」は時間の浪費だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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野田・小沢会談 「もう一度」は時間の浪費だ(5月31日付・読売社説)

 議論は、予想通り平行線だった。野田首相は増税反対派に妥協せず、社会保障と税の一体改革を着実に進めるべきだ。

 首相が民主党の小沢一郎元代表と会談し、消費税率引き上げ関連法案の成立への協力を要請した。「社会保障と財政の状況を踏まえれば、一体改革は待ったなしだ」と迫った。

 小沢氏は、「増税前にやるべきことがある」と従来の姿勢を崩さず、法案に賛成できないと明言した。さらに、「行政改革による無駄の排除」「社会保障の理念の後退」「デフレ脱却が途上」の3点を主張したという。

 双方の主張を吟味すれば、明らかに大義は野田首相にある。

 消費税率引き上げは昨秋以降、党代表選や一体改革関連法案の了承などの党内手続きをきちんと経ている。少子高齢化に伴って社会保障費が増大する中、増税先送りは財政を一段と悪化させよう。

 小沢氏の「増税前にやるべきことがある」との主張は、改革先送りのための常套(じょうとう)句に過ぎない。行革やデフレ脱却の重要性は、党内論議で何度も確認されている。

 小沢氏は、「政権公約(マニフェスト)の原点を忘れるな」とも言う。だが、小沢氏が主導したマニフェストは、予算組み替えによる年16・8兆円の財源捻出など非現実的で、民主党政権に「負の遺産」を背負わせたのが実態だ。

 衆参ねじれ国会の下、野党の協力が不可欠な中で、あえて実現不可能な公約を持ち出すのは、「反対のための反対」である。

 首相と小沢氏の会談を仲介し、同席もした輿石幹事長は、「党内融和」を優先しており、再会談の可能性を否定していない。

 しかし、合意する見込みがないのに、何度も同様の会談を繰り返すことには意味があるまい。

 関連法案の成立には、自民、公明など野党との法案の修正協議が欠かせない。自民党は「小沢氏との決別」を協力の条件の一つに掲げている。再会談が与野党協議の妨げとなるのなら、いずれ会談打ち切りを決断する必要がある。

 野田首相は、関連法案採決時の党内からの造反について「党として対応する」と語り、処分を辞さない構えだ。一体改革に「政治生命を懸ける」と言明している以上、今国会での法案成立を最優先すべきで、安易な妥協は禁物だ。

 自民党が社会保障制度改革基本法案の骨子をまとめるなど、一体改革をめぐる与野党協議の機運は徐々に高まってきている。この機を逃してはならない。

2012年5月31日01時36分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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