HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50568 Content-Type: text/html ETag: "64d7-17b8-4c11ba7b160a8" Expires: Mon, 28 May 2012 20:21:53 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 28 May 2012 20:21:53 GMT Connection: close 携帯ゲーム規制 健全性を重視したビジネスに : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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携帯ゲーム規制 健全性を重視したビジネスに(5月29日付・読売社説)

 子供の心理につけこんだり、射幸心や虚栄心をあおったりして利益を上げるビジネスモデルは、やはりおかしい。

 消費者庁は、携帯電話で遊ぶ「コンプガチャ」と呼ばれるゲーム商法を、7月から、景品表示法で禁止することを決めた。妥当な措置である。

 コンプガチャは、おもちゃのカプセルを売る機械「ガチャガチャ」とコンプリート(そろえる)という単語を合わせた呼び名で、携帯電話を通じて利用者が集う「ソーシャルゲーム」の中で行われるくじのようなものだ。

 ゲームの中で1回300円ほどのくじを引き、当たったアイテム(品物)が一定の組み合わせでそろうと、価値の高いアイテムがもらえる。ゲームを有利に進められ、利用者仲間の羨望も集まる。

 アイテムは利用者間でやり取りできるため、高値で売って(もう)けることも可能だ。

 ソーシャルゲームは、優越感や達成感、射幸心など利用者の心理を巧みについて夢中にさせる。

 ついつい何度もくじを引いてしまうと、多額の料金を払うことになり、電話使用料に上乗せして請求される仕組みだ。

 分別ある大人が楽しむなら自己責任の面が強いが、問題は子供がはまり込むケースだ。中学生が月に40万円も請求されるなど、保護者からの苦情が消費者相談窓口に相次いでいた。

 今回、消費者庁はコンプガチャを、昭和20年代にブームとなったプロ野球選手カードと同様、景表法が禁じる「カード合わせ」と見なし、規制に踏み切った。だが、カード合わせと微妙に異なる“類似ガチャ”は適用が難しい。

 それ以外の携帯ゲームでも、「原則無料」をうたって利用者を集めながら、ゲームをより楽しむには有料アイテムを買う必要がある、という大枠は同じものが多い。子供が多額の料金をつぎ込む恐れがある仕組みは変わらない。

 「グリー」や「ディー・エヌ・エー」など携帯ゲーム大手6社は、自社のコンプガチャは5月中に廃止し、ソーシャルゲーム全体の自主規制の指針を検討している。

 利用できる年齢を制限するなどの手立てを講じてもらいたい。アイテムを現金化できないようにすることも必要だろう。

 ソーシャルゲーム市場は年間2500億円の規模に急成長している。さらに発展を目指すならば、健全性を重視したビジネスモデルを再構築すべきだ。企業理念、業界全体の姿勢が問われている。

2012年5月29日01時59分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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