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2012年5月24日(木)付

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野田・小沢会談―ああ、この仰々しさ

民主党の小沢一郎元代表が、野田首相との会談に来週にも応じる――。そんなニュースが、朝日新聞をはじめ各メディアをにぎわせている。会談には、仲介した輿石東幹事長も同席する予[記事全文]

就職先を選ぶ―「企業子宝率」も見よう

学生の雇用環境は厳しいが、ブランドにとらわれず、働く人を大切にするところを選ぼう。今春卒業した大学生の就職率は93.6%で、過去最低だった前年を2.6ポイント上回った。[記事全文]

野田・小沢会談―ああ、この仰々しさ

 民主党の小沢一郎元代表が、野田首相との会談に来週にも応じる――。そんなニュースが、朝日新聞をはじめ各メディアをにぎわせている。

 会談には、仲介した輿石東幹事長も同席する予定という。

 首相はきのうの国会で「(消費増税が)党の方針として固まっていることは理解いただき、どうしても成立させなければならないとご説明したい」と意気込みを語った。

 首相の熱意もわからないではない。法案成立に「政治生命をかける」という首相と、それに「反対」だという小沢氏が話しあう意義も認める。

 だが、なぜ、会談のために、いちいち和平交渉の特使よろしく、幹事長の仲介を経なければならないのか。

 いったい、この仰々しさは何なのだ。こんな田舎芝居じみたやり方が、国民の政治へのうんざり感をいっそう強めていることに、国会議員たちは気づくべきだ。

 小沢氏は、いまはひとりの民主党員である。党代表を務めたこともあり、政治経験の豊富な政治家だが、みずから常々「一兵卒の身」と語ってきた。

 そうであるなら、党の代表でもある野田首相とは、例えていえば「民主党」という同じ町内に住むお隣さんのような間柄ではないか。

 実際、小沢氏の個人事務所から首相官邸までは、歩いて5分もかからない。

 重要なテーマであればなおさら、「来週にも」などという必要はない。いつでも、どこででも、何度でも会うべきだ。

 それに会談前から「決裂なら党分裂か」「輿石氏のメンツはつぶせない」といった観測が乱れ飛ぶ「永田町文化」も、国民と政治との距離を広げていく。

 小沢氏はみずからのグループの議員たちとは昼夜を問わず会合を重ねている。しかし、首相と直接会うのは野田政権の発足以来、9カ月近くで初めてだという。

 なかなか会わない。それによって会談自体の希少価値を最大限、高めようとする。それが小沢流なのだろう。

 何とも時代がかった政治手法である。即断即決で動く市場経済のようなスピードまでは求めないが、もう少しさらりと行動できないものか。

 欧米のメディアでは、一党員が党首に「来週にも会う」という記事は、まず目にしない。それを報じている日本のメディアの一員として、みずからの記事の奇妙さを自省しつつ考える。

 2人はさっさと会えばいい。

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就職先を選ぶ―「企業子宝率」も見よう

 学生の雇用環境は厳しいが、ブランドにとらわれず、働く人を大切にするところを選ぼう。

 今春卒業した大学生の就職率は93.6%で、過去最低だった前年を2.6ポイント上回った。改善したのは4年ぶりだ。

 小さな会社の求人情報にも強いハローワークが、大学とともに学生を支援した効果が出たという。

 バブル期の1990年ごろに約40万人だった大卒者は、今や55万人に増えた。受け皿だった大企業は採用を減らした。

 大手の就職支援サイトは登録も大手に偏りがちだ。その情報に頼って有名企業を追い、時間ばかりすぎてゆく――。

 一方で、求人意欲の強い中小・中堅企業はある。大手志向の強い学生とのミスマッチが解消に向かうのは、いいことだ。

 ただ、幅広い選択肢を視野に就職活動するとき、学生が抱く不安に目を向けたい。

 学生たちは、それを「ブラック企業」と呼んでいる。

 企業の大小によらず、採用した人材を長期雇用を前提に育てずに、使い捨てるというイメージが共通する。

 多めに採用、入社後に激しく競争させ、「要らない」と判断したら退職に追い込む。残業代もろくに払わず長時間労働させる。パワハラやセクハラが横行する――。そんな評判の会社の名が若者の間で行き来する。

 違法な働かせ方は、許されない。労働基準監督署が是正するのは当然だ。

 ただ、働くのは楽しいことばかりではない。最初は厳しく指導されることも多く、慣れるまではつらいのが普通である。

 何がブラックで、どれが育成なのか。若い人が見わけるのは簡単ではなさそうだ。

 まずは「ブラックでない」ことを示す情報を、もっと行き渡らせることはできないか。

 例えば入社数年以内の離職率だ。低ければ安定雇用の指標になる。高くても「起業志向が強い社員が多い」などの理由が説明されれば不利にはなるまい。

 仕事と家庭の両立しやすさを示す情報も、有益だ。

 福井県では地元の中小企業について社員の子どもの数などを調べ、在職中にどれだけの子どもを持てるかを推測する「企業子宝率」を調べて、「モデル企業」を認定している。

 大企業や有名企業であるかどうかや、仕事の「かっこよさ」ではない。「どう働き、どう生きるのか」という中身に目を向けよう。学生だけでなく、親をふくめた大人も、思いこみから抜け出る必要がある。

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