HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 49546 Content-Type: text/html ETag: "a7f7a2-3880-7f73f640" Cache-Control: max-age=2 Expires: Sat, 19 May 2012 02:21:03 GMT Date: Sat, 19 May 2012 02:21:01 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:社説
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2012年5月19日(土)付

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大飯原発―再稼働はあきらめよ

野田首相がNHKの番組で、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)について「最後は私のリーダーシップで決めたい。判断の時期は近い」と話し、あらためて再稼働に前向きな姿勢を示した。[記事全文]

ロケット成功―未来につなぐ絵を描け

これからの宇宙開発をどう進めるか。国民に開かれた議論で目標を定め、未来を開きたい。日本の主力ロケットH2Aが、韓国の人工衛星の打ち上げに成功した。メーカーの三菱重工が初[記事全文]

大飯原発―再稼働はあきらめよ

 野田首相がNHKの番組で、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)について「最後は私のリーダーシップで決めたい。判断の時期は近い」と話し、あらためて再稼働に前向きな姿勢を示した。

 野田さんは原発の安全策に対する国民の不信がぬぐえたと考えているのだろうか。状況は変わっていない。この夏の再稼働は見送るしかない。

 首相発言は、福井県から再稼働の同意が得られるとの見通しに基づくようだ。

 だが、福井県知事が政府に要望していた「消費地の理解」はどうなったのか。19日に関西広域連合の会合が予定されているが、京都、滋賀の両知事をはじめ周辺自治体は再稼働にきわめて慎重な姿勢だ。

 この1年余を振り返ろう。

 民主党政権は原発事故の反省に立って「脱・原発依存」への転換を掲げ、安全規制や核燃料サイクルについて、白紙に戻して見直すと表明した。

 ところが、メニューは示されたものの、緊急対策といった暫定的な措置を除けば、ほとんど実現していない。

 4月にできるはずだった原子力規制庁の設置や、原発の寿命を40年とする法律改正が、いまだに審議入りのめどさえ立っていないのはその象徴だ。

 原発規制は、信頼が地に落ちた原子力安全・保安院や原子力安全委員会にいまも委ねられている。ストレステストも、両者のもとで進められた。

 再稼働を判断する4閣僚会合の段階になって、保安院に付け焼き刃の安全基準をまとめさせるなど、政治主導の局面でも拙劣さばかりが目につき、かえって不信をあおる結果になった。

 もちろん電力不足の解消は、国民生活や経済にとって重要な課題である。

 ただ多くの国民は、この夏は節電努力で乗り切りたいと考えている。再稼働に反対する各種の世論調査を見ても、その意志が表れている。

 18日には、政府の節電対策が正式に決まった。7月から全国的に節電を求める。電力会社からデータを出させ、第三者の目で検証したことは評価する。

 民意を意識して、政府として「原発ゼロの夏」への備えを整えた、ということだ。であれば賢い節電の徹底と定着に全力を注ぐのが筋である。

 そのうえで、早く脱・原発依存の具体策を示し、法律を通して抜本的な原子力規制の見直しを進める。それなしに再稼働に動こうとしても、国民の納得は得られない。

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ロケット成功―未来につなぐ絵を描け

 これからの宇宙開発をどう進めるか。国民に開かれた議論で目標を定め、未来を開きたい。

 日本の主力ロケットH2Aが、韓国の人工衛星の打ち上げに成功した。メーカーの三菱重工が初めて獲得した海外の顧客である。記念すべき一歩といっていい。

 だが、日本の宇宙開発には現在、肝心なことが欠けている。この一歩を手がかりにロケットをどう育て、それを使って何をするという大きなビジョンだ。

 宇宙開発の司令塔として、内閣府に宇宙戦略室が置かれる予定だ。将来像を描く中心的役割を果たすことになる。

 ロケット事業の独り立ちの道はきわめて厳しい。

 世界の静止衛星の打ち上げ需要は年に20機程度で、それを欧州を中心に米国やロシア、中国が奪い合う。安価な米国のベンチャーも参入し、割高な日本製は苦戦している。

 それでも、H2Aは15回連続の成功となり、成功率95%にこぎつけた。日本の強みである信頼性をさらに向上させ、コストダウンにも努め、海外市場を開いていってほしい。

 当面は、政府や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星の打ち上げによって、安定運用に必要という年4機程度の大半をまかなうしかない。だが、いつまでも官需頼みでは困る。

 宇宙開発は、転機を迎えている。2008年にできた宇宙基本法は、宇宙技術の利用に重点を移すことを掲げ、安全保障目的の利用も認めた。専門調査会で、宇宙基本計画や政府の体制作りが議論されてきた。

 新しい宇宙戦略室は、政府全体の政策の調整機能を担い、民間委員からなる宇宙政策委員会とともに戦略をつくる。

 気がかりなのは、これまでの専門調査会での議論も民間の委員によるものとはいえ、非公開で透明性を欠いたことだ。

 そして、有人活動をどうするか、長期的に何をめざすかといった根本的な議論はないまま、全地球測位システム(GPS)の日本版をめざす準天頂衛星を中心とする計画作りが進んだ。

 新しい組織は透明性を持たせて、幅広い議論を巻き起こす必要がある。

 世界に目を転じれば、日本も参加する国際宇宙ステーションの運用が2020年に終わる。次の計画に向けての国際的な議論が始まる一方、新興国の宇宙への参入の動きも続いている。

 私たちの安全や暮らしの向上に役立ち、宇宙の探査や地球観測などで国際貢献も果たす。そういう宇宙開発の姿が必要だ。

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