HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 35899 Content-Type: text/html ETag: "14a0fb9-22c5-b7713e40" Cache-Control: max-age=3 Expires: Thu, 17 May 2012 21:21:13 GMT Date: Thu, 17 May 2012 21:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年5月18日(金)付

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 「クイーン旋風」が日本に吹いたのは37年前の5月。初来日した英国のエリザベス女王の一挙一動は行く先々で衆目を集めた。迎賓館で畳を歩くと、公式の場で靴を脱いだのは初めてと英メディアも報じた。写真が残るが、美しいおみ足である▼日本人にも親しみ深い女王が、今年、即位60年を迎えた。英BBC放送によれば、父君ジョージ6世が亡くなった夜、彼女は旅先のケニアで大きな木の上に造られたキャビンに泊まっていた。「王女として木に登り、女王となって下りてきた」と伝説的に伝えられる。以来、英国の顔であり続けてきた▼しかし楽な時代ではなかった。戴冠式(たいかんしき)の女王のメッセージにこうある。「わたくしの戴冠式は過ぎし日の英帝国の権力と壮麗の象徴ではありません」「それは未来に対するわれわれの希望の表明なのです」▼かつての「日の沈まぬ帝国」は斜陽著しく、のちに経済は「英国病」と言われるほど停滞した。王室にも様々に波風が立った。幾山河、の感慨は深いものがおありだろう▼祝賀行事のために天皇、皇后両陛下が訪英されている。59年前の戴冠式には、当時皇太子だった陛下が参列した。英王室と皇室のゆかりは深い。心臓手術から間もないが、陛下の強い希望によるご訪問である▼時のチャーチル首相は「皇太子殿下は必ずや英国に友情を寄せられるでしょう」と歓迎会で挨拶(あいさつ)したそうだ。いま両陛下が寄せる思いは、女王にも英国民にも届くことだろう。時の流れに褪(あ)せることなく。

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