HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 35863 Content-Type: text/html ETag: "116b3a-229d-aeffc600" Cache-Control: max-age=5 Expires: Thu, 17 May 2012 01:21:15 GMT Date: Thu, 17 May 2012 01:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年5月17日(木)付

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 ホームランの魅力に米国のファンを目覚めさせたのは、大打者ベーブ・ルースだという。生涯本塁打714本。群を抜く量産に人々は熱狂した。内田隆三著『ベースボールの夢』(岩波新書)によれば、彼の登場で、ホームランはめったに見られない偶然ではなくなった▼「あらゆる障害や抵抗を一挙に無化する、ホームへの魔術的な帰還」(同書)にファンは酔った。いきおい他の選手も飛距離を狙う。ゲームはスリリングになり大衆化したそうだ。日本では昭和の初めごろの話である▼そんな野球の華が、日本のプロ野球で激減している。統一球と呼ばれる「飛ばないボール」を去年から導入した影響とされる。今季ここまでの1試合平均は0.8本。貧打ぶりに「デフレ野球」の陰口も飛ぶ▼とはいえ「豪快」は往々に「大味」にすり替わるから、ファンも賛否があるようだ。ゲームの味わいは微妙なもので、貧打戦はお寒いが、投手戦なら引き締まる。快音響く打撃戦と、投手がへぼな乱打戦も似て非なるものだ▼いずれにしても、ボールをまた変えるのは愚だろう。打撃の成績が上がっても、選手ではなくボールの手柄になる。ここはプロらしく技と力で克服してほしい▼野球好きだった元米大統領F・ルーズベルトは、一番面白い試合は8対7だと言ったそうだ。私感では6対5ぐらいの方が締まっているように思うが、いかがだろう。昨日からセ・パの交流戦も始まった。ボールを恨まず、五月の風に球趣をのせてほしい。

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