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2012年5月16日(水)付

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日中関係―いがみ合うだけでなく

日中関係の歯車がかみ合わない。せっかく国交正常化40年の節目の年なのに、いがみあうような場面が続くのは残念だ。おとといは、日中韓首脳会議で北京を訪れた野田首相との個別会[記事全文]

ホテル火災―集客施設の安全見直せ

広島県福山市にあるホテルの火災で7人が亡くなった。客を集める建物なのだから、もっと法や制度で安全になるよう指導できなかったのだろうか。ホテルの窓は内側から板でふさがれ、[記事全文]

日中関係―いがみ合うだけでなく

 日中関係の歯車がかみ合わない。せっかく国交正常化40年の節目の年なのに、いがみあうような場面が続くのは残念だ。

 おとといは、日中韓首脳会議で北京を訪れた野田首相との個別会談に、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席が応じなかった。

 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領とは会っただけに、日本に対する異例の冷遇である。会議のホスト国としての誠実さに欠けるし、大国を自負する割には、あまりに大人げない態度だった。

 外交関係がきしむときこそ、首脳同士が会うべきだ。意地を張りあえば、それぞれの世論は熱を帯びるだろうが、課題の解決にはつながらない。

 日中両国は地域の安定と発展をともに担う隣国同士だ。さらなる悪循環を防ぐための大人の外交関係を築けるはずだ。

 このところの不協和音の背景には、石原慎太郎東京都知事の「尖閣購入発言」や、新疆ウイグル自治区からの亡命者組織による「世界ウイグル会議」の東京開催がある。

 13日の日中首脳会談で、温家宝(ウェン・チアパオ)首相はこの二つを取り上げ、「中国の核心的利益と重大な関心を尊重することが大事だ」と述べた。

 「核心的利益」とはいかなる代償を払っても確保するという意思表示だ。これが直接に尖閣問題を指すかは別としても、中国がこれまで以上に踏み込んできたのは明らかだろう。

 これに対し、野田首相は中国の動きを「日本国民の感情を刺激している」と指摘した。自国の領土への物言いへの反論として当然である。

 中国政府は、ウイグルの人々に日本政府が査証(ビザ)を出したことに反発している。だが、犯罪者でもない人物の入国を拒む理由など日本にはない。それを「独立運動にお墨付きを与えた」と見るのは筋違いというしかない。

 中国政府が領土に対する国内世論や、少数民族の扱いに敏感にならざるを得ない事情はわからないでもない。

 一方で、日本側にも領土や人権問題で、中国に率直に言いたいことはたくさんある。

 最近の米中両国の関係深化に比べて、日中間は表面的なすれ違いばかりが目立つのは、どうしたことか。

 ただ、今回の野田氏と温氏との会談では、関係を悪化させたくない思いも見えた。意見の違いはあろうとも「大局的見地」に立っての努力が必要という点で一致したのだ。

 あとは東シナ海ガス田の共同開発など、行動で示すことだ。

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ホテル火災―集客施設の安全見直せ

 広島県福山市にあるホテルの火災で7人が亡くなった。客を集める建物なのだから、もっと法や制度で安全になるよう指導できなかったのだろうか。

 ホテルの窓は内側から板でふさがれ、廊下の非常用照明はなかった。火災報知機が作動しなかった可能性もある。

 この建物は60年代に別々に建てられた木造と鉄筋コンクリートの2棟をつなげた構造になっていた。そのために耐火構造物でなくなり、違法建築になっていた疑いも出ている。

 建築基準法に違反しているとわかれば、自治体は建物の使用禁止命令を出せる。

 そうした強い権限があった福山市は、改築の経緯について詳しく把握していなかった。

 火災原因の特定はこれからだが、警察や消防当局には責任の所在を解明してもらいたい。

 福山市の防災査察で、排煙設備などで現行の基準法では不適格となる点も見つかっている。

 だが、建築時には法の規定を満たし、その後の改正などで適合しなくなった「既存不適格」と判断して、罰則のある是正命令は出さなかったという。

 既存不適格の建物は現行の基準法では違法状態でも、建築時の基準をあてはめるため、改修の義務はないという取り扱いになっている。

 だがそれは、多くの人が出入りする建物を危険なまま放置することにつながりかねない。

 安全のためにぜひとも必要な基準は、一定の期間をおけば既存の建物にも適用されるよう建築基準法を改正すべきだ。

 すでにある建物にも規制が及ぶという考えは、消防法にとりいれられている。

 たとえば、04年の法改正で設置が義務化された住宅火災警報器は新築だけでなく、既存の住宅にも適用されている。

 その消防法にも見直しが必要だ。消火の決め手になるスプリンクラーの設置基準である。

 宿泊施設で設置が義務付けられているのは延べ床面積6千平方メートル以上で、今回のような小規模なホテルは対象になっていない。病院や雑居ビルの現行基準は、3千平方メートル以上が対象だ。

 様々な人を集める施設は床面積にかかわらず、スプリンクラーの設置を義務づけるよう改正すべきだ。

 法改正には時間がかかるだろう。営業目的の集客施設では、不適格を是正したところの認証制度をつくってはどうか。

 それを公表すれば、利用者がより良い施設を選ぶことができる。集客施設が安全を重視することにもつながるだろう。

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