HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49211 Content-Type: text/html ETag: "2f48a7-13b6-4bf9d4115c09a" Expires: Thu, 10 May 2012 03:21:58 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 10 May 2012 03:21:58 GMT Connection: close 5月10日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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5月10日付 編集手帳

 歌人の山中智恵子は青空を井戸にたとえた。光を()む井戸である。〈青空の井戸よわが汲む夕あかり行く(かた)を思へただ思へとや〉。青く澄みわたった5月の空だろうか◆よく晴れた日和を「青天白日」という。転じて、無実が明らかになることを意味する。1審で無罪を勝ち取ったその人には、しかし、釣瓶(つるべ)を満たせるだけの光はまだ汲めないようである◆小沢一郎民主党元代表が政治資金規正法違反に問われた事件で検察官役の指定弁護士はきのう、東京高裁に控訴することを決めた。小沢氏には刑事被告人の立場がつづく◆控訴の有無を見極めもせず、民主党の常任幹事会は党員資格停止処分の解除をすでに決めている。元秘書3人が有罪判決を受け、自身も“秘書任せ”の言い分を「信用できない」と判決で両断され、あまつさえ、国会の場でただの一度も疑惑を釈明していない。「青天白日」までひと山、ふた山を残す人の復権は、世間の目にどう映るだろう◆小沢氏は釣瓶をひとまず置いて、青空の井戸に耳をすませていい。充満した政治不信の〈行く方を思へただ思へ〉という声が聞こえるかも知れない。

2012年5月10日01時46分  読売新聞)

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