HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 09 May 2012 20:21:54 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: まだ子どものころ、ある種の怖いもの見たさで、流行(はや)…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 まだ子どものころ、ある種の怖いもの見たさで、流行(はや)っていた「ノストラダムスの大予言」に関する本を読んだことがある▼牽強付会(けんきょうふかい)というほかないものなど、予言の解釈さまざまある中に確か、予言者の詩編の「バラが花開く」というような文言を、一九八一年のフランス・ミッテラン政権誕生を言い当てたものだとする説があったと記憶する▼いかにも、フランス社会党のシンボルは赤いバラ。その時が一九五八年以来の第五共和制下で初の社会党政権だったのも確かである。二度目の予言は聞いたことがないが、二〇一二年、再び「バラが花開いた」。大統領選で、社会党のオランド氏が現職サルコジ氏を破った▼地味な党人派で、あだ名は「ボンノム」だとか。直訳すれば「善人」か。サルコジ時代の「自由と競争」から「平等」重視へと舵(かじ)をきることになりそうだ▼欧州債務危機への対応でも、緊縮財政を進めるEUの潮流に逆らい「成長策も必要」と主張する。EUの求める緊縮策を進めてきた連立与党が敗北したギリシャの総選挙結果とも相俟(あいま)って市場は即、ユーロ売りに走った▼それは円高につながり、日本経済にも既に影響は及んでいるが、世界を翻弄(ほんろう)する「金融市場」を「敵」だと言い切ったボンノムが、どう危機に処するかは見もの。無論、予言はできないが、その手腕が「花開く」よう期待している。

 

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