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5月9日付 編集手帳

 社長が従業員に告げた。「今年の給与は50%アップになる」「昨年比ですか?」「来年比だ」。世界のジョークに詳しい()越健郎(ごしけんろう)さんが月刊『東京人』4月号に紹介していた◆今日よりも明日が暗く、今年よりも来年の経済が案じられる。注釈に「金融危機のイタリアで」とあるが、欧州のどこの国に置き換えても通用するだろう◆フランスの大統領選挙で、財政の規律を重んじる現職のサルコジ氏が落選した。「明日伸びんがために、今日は縮むのであります」とは、昭和の初めに緊縮財政を説いた浜口雄幸首相の言葉だが、洋の東西、時の古今を問わず、「今日縮む」政策は理解されにくい◆「今日縮む」緊縮路線を批判して当選したオランド氏も、前途は多難である。財源なしに「明日伸びる」戦略は立てられない。財源の話はそっちのけで、教員を大幅に増やしましょう。年金受給でもサービスいたしますよ…と、大衆受けを狙って財政規律をなおざりにするようだと、ユーロ暴落という市場からのしっぺ返しが待ち受けている◆不幸にしてそうなれば、欧州経済の“来年比”急成長もジョークでは済まない。

2012年5月9日02時17分  読売新聞)

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