HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 09 May 2012 00:21:55 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:プーチン新政権 “強権”からの転換急げ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

プーチン新政権 “強権”からの転換急げ

 ロシアのプーチン首相が大統領に就任した。四年ぶりの復帰だが取り巻く状況は激変し、難題も山積している。批判勢力と真剣に向き合い、強権的な政治体制の改革に今こそ踏みだすべきだ。

 プーチン氏はクレムリンでの就任演説で「われわれは民主的な国家で暮らすことを望むし、そうなるだろう」と述べた。ところが就任式前日から懸念すべき動きが見られた。治安当局はモスクワでの二万人規模の抗議集会を弾圧し、腐敗を追及するブロガーのナバリヌイ氏ら、四百人以上を拘束した。

 昨年十二月の議会選後に無党派の中間層やリベラル派野党が中心となった反プーチンの抗議行動はおおむね平和的なデモや集会だった。強圧的手法は批判勢力への恐怖感の裏返しともいえるが、過去の手法に回帰する兆候だとすれば、国際社会からの厳しい批判も免れない。

 プーチン氏は大統領に初めて就任した二〇〇〇年に腐敗撲滅を宣言したが経済の国家統制を進める中、かけ声倒れに終わり、汚職は底無し沼の状態だ。このロシアの根深い病弊に大胆にメスを入れなければ、社会に絶望感が強まり海外への人材流出は加速しよう。クレムリンに権力を集中させる「垂直的」な統治構造も腐敗の温床で、大胆な改革が必要だ。

 新政権ではメドベージェフ前大統領が首相に転じ、経済運営を担当する。在任中、経済の近代化を掲げ資源依存経済からの脱却を目指したが、成果は乏しかった。

 国営企業の民営化を志向するメドベージェフ氏ら体制内改革派と、セチン前副首相を中心としたシロビキ(治安・情報機関出身者)と呼ばれる守旧派との暗闘も激化する気配だ。両派のバランスを重視し、プーチン氏が、強力な指導力を発揮できない恐れもある。

 一方、プーチン氏は成長著しいアジア・太平洋地域への関与を強める姿勢を打ち出している。極東ウラジオストクで九月に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)は、その手始めだ。

 北方領土問題では、「最終的解決」に意欲を示すプーチン氏の再登板で、交渉進展への期待感が日本側の一部に高まっている。ただロシア側の専門家らは、プーチン氏が大幅に譲歩する可能性はないとの見方だ。狙いは経済協力拡大とみられ、楽観はできない。一部の政治家が意欲を示すが、二元外交には注意すべきだろう。

 

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