HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 36256 Content-Type: text/html ETag: "13b6462-251a-870c5600" Cache-Control: max-age=2 Expires: Wed, 09 May 2012 02:21:12 GMT Date: Wed, 09 May 2012 02:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年5月9日(水)付

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 この半世紀、フランスの大統領はドゴールから6人でつないできた。その間、米国大統領は10人、日本の首相は25人を数える。在任期間がすべてではないが、フランソワ・オランド氏を待つ地位はそれなりに重い▼6年前、仏社会党の夏季研修をのぞいた。女性党員の求めでサインに応じるオランド氏。勢いよく隣に座った彼女の尻の下で、氏が党首演説に用いた書類が悲鳴を上げている。それをさりげなく抜き取るしぐさがまた、好人物なのだ▼最大野党を長く率いた実力者だが、「いずれは」と思わせるオーラは薄かった。彼で勝てたのだから、華のある候補なら圧勝したかもしれない。サルコジ大統領の緊縮路線は、かくも不評だった▼欧州の主要政党は、いずれも欧州連合(EU)の味方である。野党の時は大衆迎合的でも、政権につくと「欧州の与党」として財政を絞り、国民の支持が離れる。オランド氏も、ドイツを筆頭にEU各国、市場、世論の顔色をうかがいながら、綱渡りを強いられよう▼フランスで、ギリシャで、EUの統治やユーロに背を向ける左右の両極が伸びた。失業に福祉後退と、グローバル化による国内の矛盾が深まり、民意の動揺を大政党が受け止めきれなくなっている▼財政難、限られた政策メニュー、大政党の不人気、懲らしめの投票、ポピュリズム台頭……。欧州の混迷に学ぶべきは多い、というより、彼我のなんと似ていることか。ただし、オランド氏には最短5年、絶大な権力が与えられる。


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