HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50409 Content-Type: text/html ETag: "10034e-17c0-4bf74bc6dd143" Expires: Mon, 07 May 2012 22:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 07 May 2012 22:21:13 GMT Connection: close 行政改革 実行の工程表と全体像を示せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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行政改革 実行の工程表と全体像を示せ(5月8日付・読売社説)

 行政改革が場当たり的な帳尻合わせでは困る。

 政府は、取り組みの全体像と実行の工程表を明示することが肝要だ。

 行革を担当する岡田副総理の諮問機関「行政改革に関する懇談会」が初会合を開いた。

 メンバーは、稲盛和夫京セラ名誉会長、葛西敬之JR東海会長ら有識者10人。国家公務員の総人件費の削減や、国有資産の売却、規制改革などを議論する。

 1980年代に国鉄や電電公社の民営化で成果を上げた第2次臨時行政調査会(土光臨調)をモデルにするという。

 無論、民間の知恵を行革に反映させることは悪くない。消費税率引き上げで国民に負担を求める以上、政府が「身を切る姿勢」を示すことも不可欠である。

 だが、政権交代から2年半以上を経過した段階で、新たな懇談会を設けて行革の理念や必要性を論議するのは、今さらの感が強い。もっと戦略的な対応が必要だ。

 民主党政権の看板である行政刷新会議に加え、国家公務員制度改革推進本部、今年1月設置の行革実行本部があり、その事務局、行革推進室などが乱立している。これでは、各組織の役割と責任が曖昧になることが懸念される。

 本部や会議を作れば、行革が前に進むと思い込んでいるのではないか。昨春の東日本大震災後に起きた政府内の組織乱造と混乱が思い起こされる。行革の推進体制を整理・一元化すべきだ。

 民主党は先月中旬、議員立法の行革実行法案を、国民新党と共同で国会に提出した。

 法案に明記された数値目標は、総人件費の2割削減と5年間で5000億円の国有資産売却の2項目にとどまり、不十分だ。

 特に総人件費削減は、具体的な方法や実施期限が示されず、政権公約(マニフェスト)の辻褄(つじつま)合わせに過ぎないとの指摘が多い。

 法案にある3年間の集中改革期間の設定や工程表の作成は重要だが、政府の判断で実行できる内容が大半を占める。あえて法律にする意味があるのか、疑問だ。

 法案成立を待つまでもなく、多数ある行革課題の優先順位を決めて、それぞれの達成時期を早期に明示することが大切である。

 野田首相と岡田副総理には指導力を発揮してもらいたい。

 民主党内には、小沢一郎元代表らによる、「増税の前にやるべきことがある」といった無責任な増税反対論がある。そうした主張を抑え込むためにも、行革での実質的な成果が求められよう。

2012年5月8日01時25分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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