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仏大統領選 オランド氏は欧州危機回避を(5月8日付・読売社説)

 フランスの大統領選決選投票で、社会党のオランド前第1書記がサルコジ大統領を僅差で破り、当選を決めた。

 社会党の大統領は、1981〜95年に在任したミッテラン氏以来、17年ぶりとなる。

 ギリシャ支援など欧州債務危機の収束策を主導してきたサルコジ大統領の敗北を受けて、世界の市場には、危機が再燃するのではないか、との警戒感が出ている。

 東京市場で平均株価が今年最大の下げとなり、ユーロが急落したのは、その表れだ。

 今月中旬に就任するオランド氏は何よりもまず、欧州の信用不安の収束に全力を挙げて取り組まねばならない。

 問題は、オランド氏が、財政規律強化のための欧州連合(EU)新条約について、再交渉を掲げていることだ。条約修正にこだわれば、欧州の危機封じ込めを目指して独仏主導で築いてきたユーロ圏の連携が、揺らぎかねない。

 オランド氏が就任後、真っ先にメルケル独首相と会談するのも、独仏協調を打ち出して懸念を払拭する狙いがあろう。財政再建と成長路線のバランスをとることが世界経済にとっても重要となる。

 オランド氏は選挙戦で、財政緊縮だけでは景気が悪化するとして、成長戦略と雇用確保を重視する姿勢を強調した。それが、高い失業率に不満を持つ有権者の受け皿となったと言える。

 欧州で広がる財政緊縮策への反対論を「欧州を変える原動力だ」とも表現した。

 オランド氏が経済成長に力点を置いたこと自体は妥当だろう。

 だが、有力な手だてがあるわけではない。財政を健全化できるかどうかも大きな疑問符が付く。高額所得者への課税強化を打ち出す一方で、年金受給開始年齢の引き上げ撤回や教員数大幅増など財政に負担となる公約を並べた。

 こうした大衆迎合的な政策は、市場の信認を一層低下させる可能性がある。

 同じ日に行われたギリシャの総選挙で、財政緊縮策に反対する小政党が勢力を伸ばしたことも懸念材料だ。大連立政権で財政再建を進めてきた中道左派、中道右派の2政党の議席は、合わせても過半数に達しなかった。

 欧州危機の火元のギリシャは、EUや国際通貨基金(IMF)の支援を受けている。中道右派政党を軸に新たな連立への交渉が始まったが、追加支援の条件である財政緊縮策を着実に実行できる体制を築く必要がある。

2012年5月8日01時25分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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