
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50256 Content-Type: text/html ETag: "fe25f-178f-4bf243fa94cf9" Expires: Thu, 03 May 2012 20:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 03 May 2012 20:21:10 GMT Connection: close
![]() 核燃料サイクル 軽視できない政策変更コスト(5月4日付・読売社説)内閣府の原子力委員会が、原子力発電所で生じる使用済み核燃料の処理方法を変更した場合のコストを試算した。 変更に伴う費用は兆円規模の巨額に上る。 東京電力福島第一原発の事故を受け、原子力政策は見直しを迫られている。検討に当たる政府のエネルギー・環境会議は、試算を踏まえ冷静に議論すべきだろう。 主要な論点は二つある。「脱原発」を目指すのかどうか。各原発などに大量に存在する使用済み核燃料をどう処理するかだ。 試算は、2020年以降は原発ゼロとする場合と、最大で現状並みに発電量の20〜35%を原発で賄う場合に分け、30年までの使用済み核燃料の処理費用を出した。 日本は、これまで、使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出し、核燃料に再利用する「核燃料サイクル」を採用してきた。 ウラン資源を有効活用でき、放射性廃棄物の量も大幅に減らせる利点があるためだ。 原発をゼロにすると使用済み核燃料の増加は止まる。残る使用済み核燃料は、そのまま地中に埋める「直接処分」だけになり、他の政策を選ぶより最大で約5兆円コストが下がる、としている。 問題は、原発に代わる火力発電の燃料費だ。年に約3兆円、30年までに計約30兆円以上かかる。負担の大きさからも、脱原発は非現実的な政策と言えよう。 一方、原発利用を続けたまま直接処分に完全に切り替えると、費用は約2兆円拡大する。 核燃料サイクルより放射性廃棄物の量が増え、その分コストが膨らむからだ。青森県六ヶ所村で完成目前の核燃料再処理工場も廃棄され、投資が無駄になる。 この場合も、代替の燃料費が深刻な問題となる。 核燃料サイクル政策を放棄すると、青森県との約束で、これまでに六ヶ所村に搬入された使用済み核燃料約3000トンが、各原発への返送を迫られる。 使用済み核燃料の置き場が満杯になる原発も多く、運転できなくなる。順次止まる原発を火力発電で補うと、30年までに最大32兆円の燃料費が必要と試算された。 いずれにせよ、電力料金は大幅に上がる。産業界や家庭にとっては大打撃となろう。 やはり、再処理工場を完成させることが必要だ。 核燃料サイクルは高い技術を要するが、核兵器を持たない国で実用段階にあるのは日本だけだ。簡単にあきらめるべきではない。 (2012年5月4日01時24分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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