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5月4日付 編集手帳

 「刑事おもしれえか」。一日の仕事の疲れを酒で癒やしつつ、ベテランの刑事・井島(鈴木瑞穂)が若い後輩の原田(高橋英樹)に語る。〈この仕事はな、気楽にみえるが、楽じゃない、人生の裏側をみせつけられる、それが疲れる、強くなるのは酒だけだ…〉◆映画『昭和枯れすすき』(野村芳太郎監督、1975年)の印象深い一場面を、新藤兼人氏の脚本から引いた(シナリオ作家協会編、ダヴィッド社刊『年鑑代表シナリオ集 '75』より)◆おそらくは刑事という仕事に限るまい。ひとの心の暗部であったり、組織の不条理であったり、社会に出て初めて「人生の裏側」を垣間見た人は多かろう◆この4月に社会人となった若い人には、心身に疲れの()まってくる頃である。でこぼこ道にまだ足の慣れぬ旅人に、ひと月ほどが過ぎたところでオアシスのような連休が用意されている。毎年のことながら、カレンダーはよく出来ていると感心する◆〈「一を聞いて十を誤解する人」と机ならべ仕事すること浮世といはむ〉(小池光)。浮世をしばし離れて、オアシスで深呼吸している人もどこかにいるだろう。

2012年5月4日01時21分  読売新聞)

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