
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48521 Content-Type: text/html ETag: "f5ca2-1308-4befbf712f57e" Expires: Tue, 01 May 2012 23:21:18 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 01 May 2012 23:21:18 GMT Connection: close
![]() 5月2日付 編集手帳電気を帯びたように神経の張りつめた感じが伝わってくる。バスの運転手を“荷電体”と形容したのは吉野弘さんである。『ヒューマン・スペース論』という詩に書いている◆バスの運転手が運転台につくと、その瞬間に彼自身がバスになるのだ――と詩人は言う。〈彼は/彼の内部に/客をのせて走る/…内部に配慮をみなぎらせ/外部への目覚めた皮膚をもち/荷電体のように走る/彼〉(思潮社『吉野弘詩集』より)◆バスを運転する人ならば誰しも、荷電体たらんと心がけていることだろう。それでも事故は起きた◆運転手の居眠りが直接の原因だとしても、バス会社の運行管理に過重労働などの落ち度はなかったか。関越自動車道の防音壁にツアーバスが衝突した事故では、一瞬のうつらうつらで花も実もある7人の人生が終わった。ハンドルを握る人は皆、原因と結果の隔たりに身の震える恐ろしさを味わったはずである◆バスに限るまい。大型連休も後半に入る。詩の後段には、〈他人の運命を/君自身の運命と感じるように〉とある。疲れたら無理をせず、“荷電体”を保ったまま、どうかよい旅を。 (2012年5月2日01時21分 読売新聞)
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