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朝日新聞の天声人語をもっと読む大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。
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稼働中の原発はいま1基。これを「風前のともしび」と焦る人。「新たな時代へのカウントダウン」と見る人。萌(も)える緑にも問うてみたい4月の言葉から▼津波に遭った青森県八戸市の市川地区でイチゴの収穫が最盛期を迎えた。農家の木村政美さん(64)は「震災と台風15号、長かった冬、の三重苦を乗り越えた。復活どころじゃない。奇跡か幻のイチゴだ」▼陸上の短距離で五輪をめざす福島大出身の渡辺真弓さん(28)が言う。「フクシマといえば原発事故を連想される。でも五輪で活躍する選手が出ることで、伝えられることがあるはず。福島は大丈夫なんだ、と」▼体重326グラムで生まれた大阪府松原市の吉岡生未(いくみ)ちゃん(6)が小学校に入学した。今もひときわ小さな体。「支えてくれる友達にたくさん『ありがとう』って言いながら、この地域で生きていってほしい」。母親みゆきさん(39)の願いである▼北海道大の野球部OB、山崎夏生(なつお)さん(56)が「プロ野球審判 ジャッジの舞台裏」を出版した。審判人生の原点は補欠体験だったと振り返り、「補欠だったからこそ頑張り続けることができた。補欠は人生の必修科目」と書いた。宣告した退場17回は歴代1位という▼愛知県犬山市の明治村が没後100年の石川啄木へのメッセージを募ったら、数百通が寄せられた。「啄木さんへ 100年後の日本はとても便利になりました。東北は大変ですが、皆力を合わせてがんばっています」。ふるさとの山はありがたきかな――。