HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50476 Content-Type: text/html ETag: "b7e9b-17bb-4beab3b9d975b" Expires: Fri, 27 Apr 2012 21:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 27 Apr 2012 21:21:13 GMT Connection: close 海兵隊移転合意 米軍基地返還を着実に進めよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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海兵隊移転合意 米軍基地返還を着実に進めよ(4月28日付・読売社説)

 米軍の抑止力維持と沖縄の負担軽減が両立できて、費用負担も軽減される。

 日本にとって、満足できる合意である。

 これに基づき、海兵隊の移転と米軍施設の返還を着実に進めることが肝要だ。

 外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)が、在日米軍再編見直しに関する共同文書を発表した。

 在沖縄海兵隊9000人が海外移転し、うち4000人はグアム、残りはハワイ、豪州、米本土に移る。沖縄に残るのは1万人だ。

 海兵隊を沖縄から西太平洋全体に分散移転し、グアムに新たな拠点を設ける。これが、中国の軍事的台頭に対抗するための米軍の新戦略だ。アジア太平洋全体の平和と安全に資すると言える。

 第3海兵遠征軍司令部や主力戦闘部隊の第31海兵遠征部隊は、沖縄に残る。米軍の抑止力が維持されることは、日本の「南西防衛」強化の観点からも評価できる。

 北マリアナ諸島のテニアンなどに自衛隊と米軍の共同訓練場を整備する合意は、防衛協力を深化するうえで重要な意味を持つ。

 日米の費用負担見直しでは、日本の財政支出は2006年の合意金額に物価上昇分を含めた31億ドル(約2510億円)とする一方で、出資・融資の約33億ドルはゼロとした。実質的な負担減である。

 在日米軍駐留経費など資金負担を巡っては、常に激しい日米交渉となるが、今回、双方が納得できる形で決着したのは良かった。

 沖縄県南部のキャンプ瑞慶覧など米軍5施設は、13地区に分割し、「速やかに」「代替施設が提供され次第」「海兵隊の国外移転後」の3段階で返還される。

 返還できる土地から順次、極力早く返還するとの合意は、目に見える形での地元負担の軽減につながる。高く評価できよう。

 米軍施設跡地を有効利用し、沖縄振興につなげることが重要だ。地元が積極的に案を出し、政府が側面支援するのが望ましい。

 忘れてならないのは、普天間飛行場の移設だ。普天間の固定化を避ける近道はやはり、日米が「唯一の有効な解決策」と再確認した辺野古移設である。政府と沖縄県は、辺野古移設についてより真剣に協議しなければならない。

 今回、米政府の根回し不足で米上院軍事委員会が異論を唱え、共同文書発表が2日遅れたのは、残念だ。日米双方がそれぞれの国内問題を抱えている。その一つ一つを克服していくことで、同盟関係はより強固になるだろう。

2012年4月28日01時02分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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