HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 28 Apr 2012 02:21:18 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 「×も傾ければ+(プラス)になる」。これは、日本に暮らし…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 「×も傾ければ+(プラス)になる」。これは、日本に暮らして実業界で奮闘する、ある米国人女性が、自身の気の持ちようを表現した言葉だ。本紙の記事で読んで、以前にも小欄で紹介したことがある▼否定されたり、失敗したりすれば、誰しも落ち込む。だが、少し見方を変えれば、それは自分の肥やしにもなり得る。苦境にある人を前向きにさせてくれる立派な箴言(しんげん)だと思うが、こういうケースは“悪用”と呼ぶべきだろう▼政府が目指す大飯原発3、4号機の再稼働をめぐって、過日、福井県おおい町で開かれた町主催の住民説明会。住民から上がったのは、再稼働への不安や政府への不信を表明する声がほとんどだった▼ところが、である。どこをどう解釈したものか、出席していた柳沢経産副大臣は説明会後、こう語った。「強い反発ではないと感じた」「ある程度理解は進んだと感じている」。住民の示した「×」を傾け、再稼働への「+」にする振る舞いであろう▼二十年ほど前、当時のクリントン米大統領がエリツィン露大統領に伝えた、日本に関する“助言”が明るみに出て話題になったことがあった。それは「日本のイエスはしばしばノーを意味する」。あるいは副大臣、これを逆に覚えていたか▼政府が国民の声を聞く耳を持たなくてはならないのは当然。だが、「否(いや)」の声を「応(おう)」と聞く耳では話にならない。

 

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