HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 25 Apr 2012 01:21:16 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 江戸時代、金銭や鼻紙などを入れ、懐に持ち歩いた大きめの袋…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 江戸時代、金銭や鼻紙などを入れ、懐に持ち歩いた大きめの袋を「丼(どんぶり)」と呼んでいた。更紗(さらさ)や緞子(どんす)でつくり、遊び人が好んで使ったこの袋から無造作に金を出し入れする様子から生まれたのが「丼勘定」という言葉らしい▼電力九社の今夏の電力供給見通しが出そろったが、電力が足りなくなるとさんざん脅してきた東京電力の出した予測を見て、真っ先に思い浮かんだのが、この言葉だった▼一昨年並みの猛暑を想定しても、節電効果などを加味するとピーク時で4・5%の余裕がある。平年並みの暑さなら7・7%の余剰だ。あれだけ電力危機をあおった根拠はどこにあったのか▼全原発が停止した場合、今年の夏は最大電力需要に9・2%不足するという試算を政府が発表したのは昨年夏だった。今回明らかにされた予測とまるで違う。猛暑であっても、節電効果などを加味した場合、全体で0・4%の不足にとどまり、暑さが平年並みなら、2・6%の余剰という結果だった▼原発依存度が高い関西電力は、余裕のある中部電力などから融通を受けなければ夏を乗り切るのは難しいだろう。それでも、16・3%もの電力不足になるという予測には疑問符がつく▼政府や電力会社が出す数字を真に受ける国民は、もはやいないだろう。原発の再稼働のためにデータを隠して、国民を欺いてきた丼勘定のツケが回ってきた。

 

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