HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 36878 Content-Type: text/html ETag: "da2bcc-2724-509e2a40" Cache-Control: max-age=4 Expires: Wed, 25 Apr 2012 03:21:14 GMT Date: Wed, 25 Apr 2012 03:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年4月25日(水)付

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 タブーの由来は「聖なる」というポリネシア語らしい。太平洋に散らばる神秘の島々には、恐ろしげな禁忌や呪術があったのだろう。いま原子力発電の信奉者が恐れる呪文は、忌むべき13の音で構成される。〈なければないでなんとかなる〉▼あと10日ほどで北海道の泊(とまり)3号機が止まり、国内で動く原発はなくなる。その節目を前に、電力9社が「原発がない夏」の算段を示した。猛暑になれば関西、九州、北海道が需要のピークを賄えず、平年なみの暑さでも関電はかなりの不足という▼だから大飯(おおい)を動かしたいとの理屈だが、業界のお手盛り体質を思うと素直にうなずけない。他社からの融通、節電のゆとりはもうないのか、政府の検証委は重箱の隅を大いにつついてほしい▼枝野経産相の発言は揺れた。先々は脱原発でも、この夏の大阪が暗転の汗地獄にでもなれば原発の存在感はいや増し、「脱」の勢いが陰る。そんな迷いがあるようだ。師匠の仙谷さんはずっと単純に、原発ゼロを集団自殺に例えた▼しかし、安全と必要を秤(はかり)にかけてはいけない。両にらみではなく、安全を確保した上で必要なら動かす、これが筋道だ。そして原発に絶対の安全はなく、万一の害毒は広域、将来に及ぶ。福島の教訓である▼大飯の運転再開を問う本紙調査によると、地元福井県も近畿圏も反対が優勢だ。停電の警告ひとつで民意が一変するとは思えない。むしろ節電に励むだろう。取り返しのつかない事故を経て、私たちは多くを学んでいる。

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