HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48942 Content-Type: text/html ETag: "fe259-130c-4be5161db3ccb" Expires: Tue, 24 Apr 2012 00:21:19 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 24 Apr 2012 00:21:19 GMT Connection: close 4月23日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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4月23日付 よみうり寸評

 〈悲願成就〉の表現が少しも大げさではない。自然界でトキの卵が36年ぶりに孵化(ふか)したということ◆学名「ニッポニア・ニッポン」は日本を象徴する鳥を意味する。が、その名に背いて、日本産最後のトキ「キン」は残念ながら、2003年に死んでいる◆「佐渡の空に再びトキのはばたきを」の悲願は、中国産トキのペアによる人工繁殖を重ね、2008年9月、ようやく放鳥にこぎつけた。以来、5回、計78羽を放鳥した。10年に5組、11年に7組が産卵はしたものの孵化には至らず、今回初めて自然界での孵化が確認された◆かつては日本全土に生息していたというトキ。ニッポンのつく学名の由来は江戸時代にドイツ人医師・シーボルトが帰国の際、持ち帰った標本にさかのぼる◆明治の半ばまでは佐渡でもトキ汁など食用になっていたといい、美しい羽は仏壇のほこり取りなどに珍重されたと伝えられるが、乱獲が絶滅へと向かわせた◆放鳥トキのひなは誕生したが、なお天敵などの試練が待つ。克服を切に祈る。

2012年4月23日13時50分  読売新聞)

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