HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 19 Apr 2012 22:21:09 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:2閣僚問責提出 「適材適所」だったのか:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

2閣僚問責提出 「適材適所」だったのか

 野党が前田武志国土交通相と田中直紀防衛相の問責決議案を参院に提出した。問責で政権を揺さぶる国会戦術は問題なしとしないが今回はやむを得ない。閣僚としての資質が厳しく問われている。

 問責理由は、前田氏が岐阜県下呂市長選で特定候補支援を依頼する直筆署名文書を告示前に送付した問題、田中氏が北朝鮮のミサイル発射をめぐる対応の混乱や閣僚としての自覚、知識の欠如だ。

 問責決議に法的拘束力はなく、可決されても閣僚辞任の必要はないが、実際にはいずれ辞任を余儀なくされている。

 野田内閣でも昨年、一川保夫防衛相と山岡賢次消費者行政担当相の問責決議が可決され、両大臣は年明けの内閣改造で交代した。

 野党側は問責閣僚が辞任しなければ国会審議に応じないため、与党側が予算案や重要法案の審議を進めようとするなら、野党側の要求に応じざるを得ないからだ。

 問責決議可決は参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」で多くなった。国会審議を「人質」に法的拘束力のない決議で政府与党を揺さぶるような国会戦術は、本来避けるべきではあろう。

 しかし、閣僚として不適格と認められるにもかかわらず、首相がかばい続けるのなら致し方ない。

 首相は改造内閣の布陣を「適材適所」と言ったが実際はどうか。

 前田氏が文書を送った先は国土交通省が所管する建設・旅館業関係者だ。前田氏は「確認せずに署名した」と釈明したが、公職選挙法が禁じる事前運動や公務員の地位利用に抵触する疑いがある。

 前田氏は旧建設省出身であり、八ッ場ダムや新名神など大型公共事業の建設再開にも前向きだ。

 民主党は政官業癒着の打破や大型公共事業の見直しが支持されて政権に就いたのではないか。それを忘れたかの閣僚起用や仕事ぶりにはそもそも納得がいかない。

 田中氏のしどろもどろの国会答弁も聞くに堪えない。安全保障問題の基本的知識を理解していなければまともな審議などできない。

 委員会を抜け出してコーヒーを飲んでいたこともある。職責放棄も平気な大臣に国を守る自衛隊の指揮を委ねられるのか。

 前田、田中両氏は参院民主党からの起用だ。適格性を欠きながらの入閣は、実力者の輿石東党幹事長の意向をくんだ順送り人事だったのか、と勘ぐりたくもなる。

 問責決議案提出を野党の横暴と決め付けない方がいい。閣僚人事の根幹が問われているのである。

 

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