
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50233 Content-Type: text/html ETag: "fffdf-1785-4bdf655c06d3e" Expires: Wed, 18 Apr 2012 20:21:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 18 Apr 2012 20:21:14 GMT Connection: close
![]() 世銀新総裁 米国の指定席を見直す契機に(4月19日付・読売社説)世界銀行の総裁ポストを米国の指定席とする慣行が、今回も守られた。選出の透明性に課題を残した決着である。 6月末に退任するロバート・ゼーリック総裁の後任に、オバマ米大統領が推した韓国系米国人、ダートマス大総長のジム・ヨン・キム氏が選ばれた。 1945年、戦後の経済復興を目的に設立されて以来、米国籍の総裁は12代連続だ。 米国に対抗し、新興・途上国から、ナイジェリアの財務相とコロンビアの元財務相が立候補したが、キム氏は、日本や欧州などからも幅広く支持を集めた。 総裁は歴代、国務副長官を務めたゼーリック氏など、ほとんどが政治家や金融畑出身だった。医学者のキム氏は異色と言える。 キム氏は世界保健機関(WHO)局長時代、アフリカなど貧困地域のエイズ対策や保健分野で活躍した実績が評価されたようだ。 ただ、財政や金融面での手腕は未知数である。途上国を熟知する行動力の発揮が期待されよう。 世銀の総裁は、最大出資国の米国が推す候補者が無投票で選ばれることが暗黙のルールだった。 今回初めて、米国の“世襲”に対立候補者が出たこと自体は、変化の兆しと見ることができる。 しかし、選考過程や投票結果は公表されず、米国がポストを死守したため、コロンビアのように、新興・途上国の間では、米国への批判がくすぶっている。 世銀の姉妹機関である国際通貨基金(IMF)の専務理事ポストは、欧州出身者が占めてきた。これも、新興・途上国の不満が収まらない理由である。 戦後約70年が過ぎ、急成長した新興国が存在感を増し、国際金融情勢は大きく変化した。 新時代の到来に合わせ、米欧が世銀とIMFのトップをそれぞれ独占する慣行を改め、国籍を問わずに能力本位で人選すべきだ。見直しを検討してもらいたい。 187か国が加盟し、巨大な組織に膨れあがった世銀の改革も待ったなしだ。 世銀の業務は、貧困撲滅、インフラ開発、気候問題など幅広く、各国の利害が複雑に絡み合う。組織の効率化と、IMFとの業務重複の解消が課題である。 世銀第2位の出資国である日本は、今回も新総裁の選出過程で、ほとんど顔が見えなかった。 日本こそ、世銀の改革に積極的に注文を付ける必要がある。いずれ、総裁候補を出す意欲を示さないと存在感は薄まるばかりだ。 (2012年4月19日01時12分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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