HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50359 Content-Type: text/html ETag: "1002da-176f-4bde2683af1df" Expires: Tue, 17 Apr 2012 22:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 17 Apr 2012 22:21:10 GMT Connection: close 原発再稼働問題 冷静で現実的な議論が重要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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原発再稼働問題 冷静で現実的な議論が重要だ(4月18日付・読売社説)

 関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働論議が迷走気味である。

 国民生活の根幹にかかわる電力をいかに安定供給するか。現実的な対策を冷静に見極めてもらいたい。

 野田首相らの関係閣僚会合は、原発の安全性に関する新たな判断基準をまとめ、それに基づいて大飯原発の安全性を確認した。

 14日には枝野経済産業相が福井県を訪れ、西川一誠知事らに再稼働への協力を求めた。再稼働に向けた妥当な対応と言えよう。

 福井県に隣接する京都府、滋賀県の両知事は「見切り発車だ」と批判している。17日には電力の需給予測を検証する第三者機関の設置など、政府に対する7項目の提言を共同で発表した。

 約10日間に計6回の閣僚会合で安全性を確認したのは拙速だ、との思いが強いようだ。

 だが政府は緊急安全対策、ストレステスト(耐性検査)、30項目の安全対策など、多くの手順を踏んできた。こうした経緯を、政府は丁寧に説明し、理解を求める必要がある。

 関電の大株主である大阪市の橋下徹市長の度重なる再稼働反対発言も、波紋を広げている。

 橋下氏は、政府の再稼働方針の決定過程を批判して「民主党政権を倒すしかない」と述べ、民主党の輿石幹事長は「受けて立つ」と応じた。電力危機が迫る中で、いたずらに政治的な対立を深めるのは避けるべきだろう。

 橋下氏は「計画停電もあり得ると腹を決めれば、電力供給体制を変えられる」とまで発言した。

 これに対し、パナソニックの松下正幸副会長が、「計画停電なんてとんでもない。軽々しく言うべきではない」とたしなめたのは、もっともである。

 原発を再稼働できないと、関電管内で今夏、最大約20%の電力不足が見込まれる。地域経済に大きな打撃となる。計画停電となれば生産計画も立たずに企業が逃げ出し、空洞化が加速しよう。

 橋下氏は電力危機の影響を、軽視してはならない。

 枝野氏の発言の「ぶれ」も、混乱に拍車をかけた。枝野氏は「再稼働」と「脱原発」のどちらに軸足を置いているのか、真意がわかりにくい。

 枝野氏は17日の記者会見で「ぶれているつもりはないが、わかりやすく説明できていない部分があった」などと陳謝した。

 枝野氏は再稼働の担当閣僚として責任を全うするべきだ。

2012年4月18日01時26分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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