HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50272 Content-Type: text/html ETag: "100034-17f5-4bdce9e0e310d" Expires: Tue, 17 Apr 2012 03:21:44 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 17 Apr 2012 03:21:44 GMT Connection: close 対「北」議長声明 これで核実験阻止できるのか : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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対「北」議長声明 これで核実験阻止できるのか(4月17日付・読売社説)

 北朝鮮の長距離弾道ミサイルを巡る国連安全保障理事会の協議は、発射の強行を強く非難し、安保理決議への「重大な違反」と認定する議長声明の採択で決着した。

 議長声明は、北朝鮮に、新たな弾道ミサイル発射や核実験の実施をしないよう要求し、違反した場合は「安保理が相応の行動を取る」と警告した。各国にも、既存の安保理決議の制裁措置を徹底するよう求めている。

 3年前、北朝鮮が今回と同じく「衛星」打ち上げと称して長距離弾道ミサイルを発射した時も、安保理は議長声明で非難した。今回は、より強いメッセージとなったとは言え、拘束力のある決議でなかったことは物足りない。

 常任理事国の中国は、北朝鮮へ強い圧力をかけることに慎重姿勢を崩していない。自国の安定が損なわれることも警戒している。

 米国との間で、内容は強めても形式は拘束力のない議長声明にする妥協が図られたのだろう。

 これで、北朝鮮の3回目の核実験やさらなるミサイル発射を阻止できるのか。大いに疑問だ。

 安保理は、北朝鮮がミサイル発射や核実験を行うたびに、議長声明や決議で、非難と中止要求を繰り返してきた。だが、軍事的措置や本格的な経済制裁に踏み込んだことはない。北朝鮮が痛痒(つうよう)を感じるはずもない。

 今回も、北朝鮮は決議を無視して、ミサイル発射を強行した。既存の制裁決議に実効性がなかったことを示している。

 日本にとって、北朝鮮の核とミサイルによる脅威は、日に日に増すばかりである。

 問題は、北朝鮮と国境を接し、同盟関係にもある最大の貿易相手国、中国だ。その責任を自覚し、既存の決議に基づく核・ミサイル関連物資や贅沢(ぜいたく)品の禁輸と、禁輸品の貨物検査を徹底すべきだ。

 「衛星」発射には失敗したが、金正恩・朝鮮労働党第1書記は、新設の国防委員会第1委員長にも就任し、最高権力者となった。

 15日の軍閲兵式には、日本に届く中距離弾道ミサイル・ノドンなど多くの兵器が登場した。

 金氏は演説で、軍事最優先の「先軍革命」路線の継承を表明し、経済建設に平和は大切だが、それ以上に「民族の尊厳と国の自主権が貴重だ」と強調した。核とミサイルの開発継続宣言だろう。

 核とミサイルの開発と、経済立て直しは両立しない。そのことを、国際社会は、金正恩氏に認識させる必要がある。

2012年4月17日01時49分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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