HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48868 Content-Type: text/html ETag: "f9869-1389-4bdceafefe359" Expires: Mon, 16 Apr 2012 20:21:15 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 16 Apr 2012 20:21:15 GMT Connection: close 4月17日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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4月17日付 編集手帳

 「百人一首」と聞いて、おばけの名前だと思った子供がいたという。国語学者の金田一春彦さんが『ことばの博物誌』(文芸春秋)に書いている。〈いかにも、胴体が百あって首が一つだけではおばけに違いない〉と◆どこかの子供の想像力が生み出したおばけにたとえれば、かの国は「何人一首」だろう。落ち着かぬ様子に、原稿の棒読み――演説をした29歳の若者が国家を統率しているとは思えない◆北朝鮮の最高指導者たる“首”は金正恩(キムジョンウン)第1書記であっても、首の下には、首の言うことに必ずしも従わぬ党や軍の“体”がついているように見えた◆拉致事件を解決するには首を相手の「対話」よりも、体全体に響く「圧力」こそがいっそう強く求められるのかも知れない◆「百人一首」にある崇徳院の歌が浮かぶ。〈瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に()はむとぞ思ふ〉(岩にせきとめられた急流が分かれても末には一つになるように、いまは人にせきとめられ、あなたと別れて逢うことができなくても、ゆくゆくはきっとお逢いしようと思っています)。拉致被害者の祈りの声が聞こえるようである。

2012年4月17日01時55分  読売新聞)

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