
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50324 Content-Type: text/html ETag: "a8873-177b-4bda60c98bfc2" Expires: Sat, 14 Apr 2012 22:21:12 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 14 Apr 2012 22:21:12 GMT Connection: close
![]() 連続不審死事件 状況証拠で導かれた死刑判決(4月15日付・読売社説)「犯人は被告であると優に認められる」。判決は、そう結論付けた。 練炭自殺に見せかけ、男性3人を殺害したとして、殺人罪などに問われた木嶋佳苗被告の裁判員裁判で、さいたま地裁は求刑通り死刑を言い渡した。 検察側の主張を全面的に認めた判決である。動機については、「虚飾に満ちた生活を維持するため、被害者から多額の金を受け取り、返済を免れるため犯行に及んだ」と断じた。 自白や目撃証言などの直接証拠はなく、被告は無罪を主張した。検察は数々の状況証拠を積み上げて、立証を図った。難しい刑事事件の典型だったと言えよう。 検察が強調したのは、3件の不審死に共通項が極めて多いことだった。3人とも死亡する直前に被告と会っていた。いずれの現場にも練炭と練炭コンロがあった――といった点である。 被告が事前に練炭やコンロを入手したことも、被告と犯行を結び付ける有力な証拠と主張した。 被告は「練炭は料理のために買った」と主張したが、判決は「不合理な弁解」などと退けた。 大きな注目を集めた事件だが、捜査の課題も残った。警察は男性1人の死亡を自殺とみて、司法解剖しなかった。もう1人の事件では、たばこの火の不始末による失火で死亡したと判断した。 初動捜査のミスが、立証に影響したことは間違いあるまい。 検察が論告で、状況証拠の評価に関して用いた例え話も、違和感が残る。検察は「寝る前に星空が見えたが、夜が明けて一面雪化粧であれば、雪が降るのを見ていなくても、夜中に降ったことが分かる」と主張したのである。 裁判員に分かりやすく説明しようとしたのだろうが、想像力で判断してもらいたい、と述べているかのようにも受け取れる。 証拠だけに基づき判断する刑事裁判の鉄則に照らせば、不穏当な例えだったのではないか。 この裁判でも、裁判員の心身への負担は相当なものだったろう。在任期間100日、公判は36回にも及んだ。裁判員の男性は「力を合わせて裁判を終えられた。達成感がある」と語った。 死刑を選択する重圧もあったに違いない。裁判員裁判では、今回を含め、死刑求刑が18件あり、14件で死刑が言い渡されている。 裁判員が重責を果たしているからこそ、制度が成り立っている。そのことを改めて実感させられる裁判だった。 (2012年4月15日01時25分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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