HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48969 Content-Type: text/html ETag: "fe240-1352-4bda5fdb64a65" Expires: Sat, 14 Apr 2012 21:21:46 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 14 Apr 2012 21:21:46 GMT Connection: close 4月15日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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4月15日付 編集手帳

 この100日間の裁判員たちの重圧を思う。年明け早々に選任手続きがあり、計36回の公判。結審後もひと月にわたって評議を続けてきた。選択した結論は死刑だった◆首都圏の男性3人連続不審死事件の裁判は、木嶋佳苗被告(37)と殺害行為を結びつける直接的な証拠がない。検察は3事件に共通する状況証拠を積み重ねて「犯人は被告以外に考えられない」との主張を展開した◆状況証拠については2年前、最高裁が「被告が犯人でなければ説明できないものがなければならない」と厳しい条件を示している。初動捜査で警察が、男性1人を自殺と見誤り司法解剖しなかった、などの失態も明らかになった。証拠の細部まで吟味し尽くした評議だったろう◆裁判員の苦悩に敬意を表しつつ、検察の論告には疑問を呈しておく。<夜晴れていて朝雪化粧なら、雪が夜中に降ったのは明らか>。状況証拠だけでも有罪にできると、雪に例えて言いたかったのだろうが、想像力で殺人を認定するわけにはいくまい◆「雪冤(せつえん)」という言葉が浮かぶ。自らの無実を晴らす、の意味。冤罪を生まぬことが刑事裁判の鉄則である。

2012年4月15日01時21分  読売新聞)

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