HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 14 Apr 2012 01:21:46 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: かつて時速百五十キロのボールを打ったことがある。といって…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 かつて時速百五十キロのボールを打ったことがある。といっても、バッティングセンターでの話▼慣れてくるとヒット性の当たりも出たが、それは、機械の放つコントロールされた好球ばかりだったから。もしノーコン投手が相手だったら到底無理。たとえ球速が百二十キロでも、ぶつけられるかもという恐怖が先に立ち、スイングもままならないだろう▼北朝鮮の長距離弾道ミサイルとみられるものの打ち上げは結局、失敗した。ずっと遠くまで飛ぶはずだったが、発射後一分少々で爆発し分解、すぐ近くの黄海上に落ちたらしい。日本領内に危険が及ばなかったのは幸いだったが、恐ろしさは、いや増した気もする▼三年前の打ち上げは一応成功して、列島を飛び越した。しかし、今度はとんでもない“大暴投”。もし次があれば、ノーコン投手相手の打席に立つように、どこに飛んでくるか分からない恐怖を味わわされることになる▼ただ、あの国がそんな危ないミサイルをコントロールよく撃てたとしたら、それも剣呑(けんのん)。どう転んでも怖いわけだが、ここ当面、恐れるのは、世継ぎの三男が、この失敗に焦ってさらなる愚行に走ること。新たな核実験か、別の軍事的挑発か…▼詰まるところ、彼の国の発する恐怖の本質は何をしでかすか分からない点にある。ノーコン投手と違い、それを武器にしているのだから質(たち)が悪い。

 

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