HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 50551 Content-Type: text/html ETag: "87facd-3cf1-e499c440" Cache-Control: max-age=2 Expires: Sat, 14 Apr 2012 01:21:03 GMT Date: Sat, 14 Apr 2012 01:21:01 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:社説
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2012年4月14日(土)付

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北朝鮮ミサイル―発射強行に抗議する

北朝鮮が、事実上の長距離ミサイル実験だった「人工衛星」の打ち上げに失敗した。多数の残骸が、韓国西方の黄海に落ちたという。幸い日本を含めて被害はないようだが、危険きわまり[記事全文]

再稼働と地元―安全への疑問をただせ

関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、野田政権が再稼働の妥当性を認めた。枝野経済産業相が今日、福井県に出向き、西川一誠知事に政府の判断を説明する。[記事全文]

北朝鮮ミサイル―発射強行に抗議する

 北朝鮮が、事実上の長距離ミサイル実験だった「人工衛星」の打ち上げに失敗した。

 多数の残骸が、韓国西方の黄海に落ちたという。幸い日本を含めて被害はないようだが、危険きわまりない暴挙である。

 中国やロシアも含めて各国が中止を迫っていた。発射は明らかに国連安全保障理事会の決議に反する。実験の強行に強く抗議する。

 発射基地の建設と「ロケット」本体の製造などに、8億ドル以上をかけたという推計も韓国政府内にはある。140万トンのコメを買える額だという。

 飢えた国民よりも、3代目の金正恩氏の新体制づくりを優先させた愚行というしかない。

 労働党第1書記に就いた正恩氏は、きのう国家機構の事実上のトップにもなった。金日成主席生誕100年を15日に控え、多くの外国報道陣も呼び、3代世襲への祝砲気取りの発射でもあったのだろう。

 若くて未熟な新指導者の危機管理能力がさっそく試されるともいえる。

 これから私たちは、どう対応すべきなのか。

 ワシントンでのG8外相会合が、北朝鮮を非難する緊急声明を出した。当然のことだ。

 国連安保理も、緊急の会合を招集した。日本はいま理事国ではないが、米国が議長国だ。日米韓が結束し、中国とロシアを巻き込んで、北朝鮮に強いメッセージを発する必要がある。

 ことに、後ろ盾として新体制をいち早く支持した中国の責任は重い。核兵器とミサイル開発にひた走る北朝鮮の増長を止める説得役を期待する。

 今回の発射を機に、米国は北朝鮮への栄養補助食品24万トンの支援を当面見送る意向だ。北朝鮮がそれをなじり、新たな挑発に出かねない。ミサイル失敗の穴埋めと、新体制の結束を固めるために核実験に突き進むとの見方もある。

 世界を敵に回す瀬戸際外交とつきあい、交渉の局面にまで持ち込むには時間がかかるだろう。だが、こんな傍若無人な北朝鮮を相手に、粘り強く努力するしかないのも事実である。

 北朝鮮が勝手に進めるウラン濃縮をやめさせるなど、急を要する課題もあるのだ。

 北朝鮮は今回、「衛星の軌道進入は成功しなかった」と発表した。失敗をすぐに認めるのは異例のことだ。

 金正恩体制が祖父と父の「遺訓」にすがる姿を見れば、政策転換は期待しにくい。だが、失敗を認めることは何らかの変化の兆しなのか、注視していく。

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再稼働と地元―安全への疑問をただせ

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、野田政権が再稼働の妥当性を認めた。

 枝野経済産業相が今日、福井県に出向き、西川一誠知事に政府の判断を説明する。

 私たちは大飯原発の再稼働は時期尚早だと考える。

 西川知事は東京電力福島第一原発の事故を踏まえた安全基準を作るよう、国に求めてきた。

 国が「合格」とする安全対策で本当に住民の生活を守れるのか。県民代表として安全を最優先で考えてほしい。

 先送りされた対策には、災害発生時の指揮所となる免震事務棟の設置など、安全対策の根幹にかかわるものが含まれる。

 避難範囲がどこまで及び、どんな対応が必要か、自治体の防災対策も進んでいない。

 経産相には疑問をどんどんぶつけ、ただすべきだ。

 国内最多の14基の原発が集中する福井県では今、発電所関連の働き口が縮小し、作業員を対象にした宿泊施設や飲食店なども不況にあえいでいる。

 一方で越前市議会は拙速な再稼働に反対する意見書を可決した。県内も一枚岩ではない。

 雇用や経済も大事だが、前提となる生活基盤を失わないために脱原発を志向する価値観も、広がっている。

 知事にはこうした空気も十分に考慮してもらいたい。

 12日には山田啓二・京都府知事と嘉田由紀子・滋賀県知事が大飯原発を視察した。首長として責任ある判断をするためだ。

 大飯原発からの距離は、福井県庁より京都府庁の方が近い。福島の事故を受けて、国は防災対策の重点地域を30キロ圏内に広げた。

 この圏内に一部が入る京都、滋賀両府県、さらに夏の需給のかぎを握る大消費地、大阪府・市の意見も聞く必要がある。

 再稼働の「同意」は立地県から得る。それ以外には「理解」を求める。藤村官房長官らの説明からは手続きを進めんがための意図がみえ、国に対する信頼を損ねている。

 自治体も安全に責任を負う姿勢を忘れないでほしい。

 福井県には原子力安全専門委員会がある。再稼働について県に助言するが、5人の委員が関電の関連団体などから寄付を受けていた。「中立」と主張するなら専門家として厳正に審査しなければならない。

 大阪府・市や滋賀県も、原発の安全性を独自に判断する有識者委員会の設置を検討中だ。地域が主体的に安全管理に関与する動きとして評価する。

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